「香料の道:鼻と舌:西東」:「肉桂=シンナモン」

古代のエジプト・オリエントそしてギルシア・ローマの香料は乳香・没薬・肉桂であった。そこでは肉桂=シンナモンもエジプト南部・東アフリカ原産と思われていた。

肉桂は南シナ、南インド・セイロン、ビルマ、ベトナム、マレー諸島の原産であり、インド以西では産しない。「香料の道:鼻と舌:西東」(山田憲太郎著)の著者はこの泰西の肉桂は現在の肉桂と別物ではないかとしている。

肉桂の香味と刺激はシンナミック・アルデヒドによるが、産地によってかなりの味と匂いと刺激の相違がある。シナ肉桂(カッシア)と南インド・セイロンの肉桂(シンナモン)との相違も大きい。

「香料の道:鼻と舌:西東」:「乳香」と「没薬(もつやく)」

「香料の道:鼻と舌:西東」(山田憲太郎著)という面白い本がある。

われわれの身のまわりには実に様々な香料が使われており、使っている。この本はその香料の歴史を東西世界の規模で叙述したものである。

人類の歴史に登場する最初の香料は「乳香」と「没薬(もつやく)」である。何れも南アラビア、東アフリカで採取される芳香ゴム樹脂である。

人類は香料を「焚香料(incense)」、「化粧料(cosmetics)」そして「香辛料(spices)」として使ってきたが、乳香は焚香料であり、没薬は化粧料の用途が大きい。没薬(もつやく)の「没」は苦味(ビッター)を表す漢字であり、その名前からして没薬は苦い。薬としても使われていた。