「のぞみはないですが、ひかりはあります」

この言葉は新幹線の駅員が普通に言ったことばだが、何となく意味があるように響く。

今朝の新聞の「ひと」欄には、このような標語の投稿をインターネット上の交流サイトで募り表彰する「輝け!お寺の掲示板大賞」を主催している僧侶江田智昭さんが載った。

今回の募集は三回目で、一回目の一昨年は700件、昨年は950件の公募があった。今回は10月末が締め切りであるが、既に1000件以上が集まっているという。

江田さんによればこれまでに集めた標語の一番のお気に入りは今回のブログのタイトルに使ったものだという。

仏像でみる日本の密教:千手観音(せんじゅかんのん)

多数の手を持ち救済の能力を最大限もった観音が予想される。この極限が千手(せんじゅ)観音である。

天平宝宇三年(759年)に鑑真により唐招提寺に安置された千手観音は現存する最古のもの一つである。この観音は立像であるが、同時期に作られた河内葛井(ふじい)寺の千手観音は坐像である。

平安中期以降には千手観音信仰は盛大になり、観音信仰を独占するまでになった。その最高潮には一千体の千手観音を安置する堂宇を創るまでになった。

仏像でみる日本の密教:不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)

東大寺法華堂(三月堂)の不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)がよく知られているが、この観音は十一面観音よりさらに強力な観音で、この観音を祈る全て人間を洩らさず救済するという誓願を持っている。この観音に関する経典は三十巻経もあり、この観音の信仰を中心とした宗団もあったらしい。

日本では東大寺のものが最古のもので、天平十八年ごろの作と思われている。一面三目八臂のすがたをしている。その他この観音は大安寺、唐招提寺、広隆寺などに現存する。