xubuntuにPythonマクロ環境をつくる

前回の続きである。LibreOfficeのマクロは様々なプログラミング言語で作れるようになっていて、Pythonもその1つである。

xubuntuでは別な方法もあるようであるが、ここではwin10でも使ったAPSOというツールを使った環境を作る。このツールの登録はLibreOffice.Calcを立ち上げてツール->拡張機能と進むと登録画面が出るので予めダウンロードしておいたAPSOを登録する。オプションでプログラミングで使うテキストエディタを指定する。xubuntuではnanoやplumaなどが使えるようになっているが、nanoはそのままではダメらしい。plumaは/usr/bin/plumaで引数なしでで立ち上がる。

ユーザが作るマクロの保存場所は決まっていてlinuxでは

.config/libreoffice/4/user/Scripts/python/

である。初期状態では必要なディレクトリが存在しないので適宜に作る。

またユーザが作る汎用的なモジュール(例えばメッセージボックス)は

.config/libreoffice/4/user/Scripts/python/pythonpath

に保存する。これらのモジュールはマクロでインポートして使うことができる。

APSOの起動はLibreoffice.Calcの画面のメニュの

ツール->マクロ->Pythonスクリプトの管理

で行う。APSOの初期画面がでるのでそのメニュから作業を始める(注:APSOの最新版はAPSO1.4.2であるが、このヴァージョンではメニュのプルダウンメニューが出ない。APSO1.3.2は正常)。

APSOはよく出来ていて開発中のマクロのデバッグ実行やPythonシェルの表示(マクロの中のprint文の出力はこのシェルにでる。これもデバッグに重宝)などの機能を持っている。なおLibreOfficeのPythonのヴァージョンは3.12.3である。

これで準備は完了。

xubuntuにPython仮想環境をつくる

娘が「遅い」といって手放したlenovoに軽いOSを入れてみた。このlenovoは確かに遅くwin10では精神衛生上よくない遅さである。CPUやメモリーが貧弱な割にハードディスクは容量が1000GBと豊富であるので、軽快に動くと定評のあるxubuntuをwin10とdual bootでインストールする。

xubuntu自体のインストールは問題なく進行したがその手前でPCのBIOSの画面を出すことに苦労した。最も確実な方法はNOVOボタンを使う方法であるらしいが肝心のそのボタンの場所が見つからなかった。このPCでは向かって左の側面のSDカードの挿入口の横に小さな穴がありそれがNOVOボタンでPCの電源を落とした状態でこのボタンを楊枝などで押すとBIOSの画面が立ち上がる。

【Python環境】

xubuntuのインストールでシステムワイドのPython(3.12.4)がインストールされるがPythonプログラミングは仮想環境で行うことが作法である。これはプログラミングが実験的な操作を伴うことが多くシステムワイドなPythonをいじりたくないからである。

そこでhome直下に作業ディレクトリを作りそこをPythonプログラミングの作業領域とする。ターミナルエミュレーターでそこに入って

python3 -m venv MyEnv

と入力。MyEnv(名前は任意)というディレクトリができ必要なファイルがインストールされる。

仮想環境の活性化は以下のコマンドによる:

source MyEnv/bin/activate

これでエミュレーターのプロンプトの先頭に(MyEnv)が付き仮想環境にいることがわかる。ここのPythonは初期状態ではパッケージは何もインストールされていない。プログラミングに必要なパッケージをインストールする。因みに不活性にするには仮想環境内でi以下のコマンドを入力:

deactivate

次に総合開発環境を使えるようにする。以前かからPythonに付属して配布されている総合開発環境idleを愛用しているので仮想環境でもこれを使う。xubuntuで配布しているidleはシステムワイドなPython用でそのままでは仮想環境では使えない。そこで仮想環境下で以下のコマンドを使う:

python3 -m idlelib.idle

これで仮想環境にリンクしたidleが立ち上がる。

 

以上でPythonプログラミングの環境ができた。