オッカムの剃刀(かみそり)

NewScientistの最近の記事を見ていて目に入った記事である。原文はここ。

「オッカムの剃刀(かみそり)」は14世紀の神学者”Williamめ of Ockham “(オッカム村のウイリアム)に帰される物事を考えるときに採用すべき指針である。「同じ現象を説明しようとする二つの説明があったとしたら、ヒトはより簡単な説明の方を採用すべきである。」つまり「剃刀」は余計なものを削ぎ落とすことの比喩である。

この指針はアインシュタインを含む後世の人々によって再認識されたが、「神の存在は論理のみでは跡付けることはできない」とも言った、剃刀のような鋭い論理を展開したオッカムの名で呼ばれている。

この指針は科学と論理学の多くの分野で適用できる。例をあげる。二つのコンピュータ・プログラムが同じ目的を達成できたとするならば、より単純なプログラムを採用すべきである。なぜならより単純の方がエラーを含んでいる確率は小さいからだ。医者は鼻詰まりを訴える患者にたいして稀な免疫系の機能障害よりよくある風邪を想定すべきである。また医学生がよく聞かされる諺として「蹄の音を聞いたならば、シマウマではなくウマを思い浮かべよ。」

「オッカムの剃刀」は法則ではなくあくまでも指針であることに留意すべきである。真実は思った以上に複雑なことが多い。