天文学:宇宙観からの脱却

1543年にコペルニクスの「天体の回転について」が出版されて太陽系の地動説が登場、ガリレオによる木星の衛星の発見もあり、太陽系のモデルとして地動説が不動のものとなり、新しい宇宙観が確立した。

この新しい宇宙観を以って個別科学の天文学の確立と言えるのだろうか?

天文学の研究対象はもちろん天体である。この天体の特徴は「手にとって眺めることができない」ことである。天体の実体の把握は目的の天体までの距離がわかって始めて可能になる。この点で、太陽系の大きさを問題とし、地球と火星との間の距離を実測したカッシーニの業績を以ってヨーロッパで個別科学としての天文学が確立したと見たい。コペルニクスから約100年後である。