陳舜臣氏の著作に「中国名言集:弥縫録」という面白い本がある。
最初の話題が弥縫録(びほうろく)と備忘録(びぼうろく)である。
日本では弥縫(びほう)という言葉は「とりつくろう」、「一時しのぎ」等ネガティブな意味に使うことが多い。
中国の古典でこの言葉が最初に使われたのは「春秋左伝」で紀元前700年ころで、意味は「蟻の這い出る隙間もないほど」つまり「なにひとつ逃さずひろいあげようすること」だそうだ。日本とはほぼ逆の意味である。
著者はこの意味で弥縫録(びほうろく)を本の題名したと述べている。