ネコを興奮させるイヌハッカ:祖先が失った成分復活

今朝の新聞記事のタイトルである。

ネコを興奮させるイヌハッカ(キャットニップ)の誘引成分はイリドイドという化学物質の一種である「ネペクラクトン」と呼ばれている物質たそうである。ネコの3分の2はキャットニップをこすったり触ったりして興奮状態になる(因みに我が家で以前に飼っていたネコは無反応)。

記事の内容は米フロリダ自然史博物館の研究グループがキャットニップが持つこの成分の由来をこの成分を持たないヤナギハッカのゲノムを比較するなどして祖先の酵素と遺伝子を調べたというもの。

その結果、6500万~5500万年前ごろ祖先の植物がイリドイドを作る能力を失ってしまったが、2000万年ごろキャットニップは再びイリドイドを作る能力を復活させたということが分った。

空白の時代(5500万年前~2000万年前)ではイリドイドを持つ必要のない環境であったのかもしれない。

Pythonで作った高速ライフゲーム

最近亡くなったコンウェイ(John Horton Conway)が提唱したライフゲームを高速に実行するPythonプログラムの話である。

この「ゲーム」はセル・オートマトンの一種で二次元格子にオートマトンを置きその時間変化を追い、描画する。各格子のセルオートマトンの状態は生(1)か死(0)の二状態をとる(ライフゲームの由来?)。各格子の状態変化は当該のセルの状態と周囲のセルの状態によって決まる。ここの状態変化の計算は超並列に行うことができる。

計算式は極めて簡単でPythonでも実行時間は掛からないが、格子の数が増えるとセルの状態を描画する時間がバカにならない。そこで描画をヴィデオデータにしてしまってそのデータを画面表示する。こんなことを考えて調べていたら、同じようなことを考えているヒトがいてプログラムを公開している。かなり高速なシミュレーションができる。使ったプログラムはここ。セルの数は300X300=9万である。

実行結果

High_speed_life

イセエビの出す音、3キロ先で聞こえる

今朝の新聞記事のタイトルである。

イセエビは頭のところから突き出ている長いひげ(第2触覚)の根元にある器官から「キイキイ」という音を出す。これはイセエビ同士のコミュニケーションに使われている。この音がどの位遠くまで届くのかフランスの研究者たちが調べた。

大きさが異なる24匹のヨーロッパイセエビを使い、イセエビから100mの距離のところまで8個の水中マイクを設置し音をを収録した(多分大きさの異なるイセエビは異なった周波数の「キイキイ」音を出すので個体を区別できたのだろう)。解析の結果、2.6cmと小さいイセエビは10mしか届かない、一方13.5cmの大型のイセエビは100mまで届くことが分った。

実験は浅瀬の雑音の多い環境だったこととイセエビが本来生息する環境を比較すると本来生息する環境では大きなイセエビの「キイキイ」音は3キロメートル程度は伝播すると研究者たちは結論した。

TKinterの拡張:ヴィデオを見る

Pythonに同梱されているTKinterはあまり苦労しないでGUIのPythonアプリケーションが作れる詳しい説明はここ)。アプリケーションで静止画像を見せることなどは追加のモジュール無しでできる。そこでTKinterアプリケーションでヴィデオを見せることができるか調べてみた。

  • オンラインのヴィデオカメラで撮影している映像をTKinter内で表示る方法

映像は毎秒60コマで更新されるのでこの頻度で映像を取り込み表示すればよい。取り込んだ映像はlabelウィジェットに表示する。プログラムはここ

  • 動画ファイルを読み込み表示する方法

映像によってフレーム・レイト(毎秒のコマ数)が異なるのでそれを反映した頻度で画面を更新することが必要である。また大きな画面サイズの動画は再生速度が足らなくなる問題がある。プログラムはここ

実行例

TKinter_video_file

この二例でみるようにTKinterは充分でヴィデオ・データにも対応できる。

コンパイラPython: Numbaの実力

Pythonを高速にする仕掛けの一つに’NUMBA’というモジュールがある。これは配列の計算のためのもモジュールNUMPYで定義された配列に計算を高速にする。NUMPY自体も配列の計算(例えば二つの配列の積)ができるが、配列の計算はもっと沢山ある。そうのような計算をPythonの演算式を使ってやるととてつもなく時間がかかる。そのような計算部分(関数として定義する)をNUMBAで高速にできる。例を示す:


#coding: utf-8

from numba import jit
from numpy import arange
import time

#関数の引数にNUMPY moduleで定義される配列があるとNUMBA
#によってその関数はコンパイルされる。
#デコレータ@jitはNUMBAを適用するか選択する

@jit
def sum2d(arr):
    M, N = arr.shape
    result = 0.0
    for i in range(M):
        for j in range(N):
            result += arr[i, j]
    return result

start = time.time()
a = arange(100000000).reshape(10000, 10000)
print(sum2d(a))
elapsed_time = time.time() - start
print ("elapsed_time:{0}".format(elapsed_time) + "[sec]")

結果を示す:

    • NUMBAを適用しない場合:
      4999999950000000.0
      elapsed_time:38.96722865104675[sec]
    • NUMBAを適用した場合:
      4999999950000000.0
      elapsed_time:0.7770442962646484[sec]

30倍もの実行速度がえられる。Pythonコンパイラとしては以前に紹介した’pypy’もあるがNumpyを使っている場合はこのNumbaが便利かもしれない。

‘O, Draconian devil. Oh, lame saint’のアナグラム

ダヴィンチ・コードの中で言葉遊びがよく出てくる。ここではそんな言葉遊びの一つであるアナグラムを取り上げる。

アナグラムは一つの意味のある単語または一つの語句を構成している文字を入れ替えることによって意味のある別な単語または語句を生成する遊びである。

簡単な例
‘silent’(静かな)—-> ‘listen’(聞く)

英単語集(11万個)を探索して得られるアナグラムで8文字からなる単語を検索してみると最大個数は7にもなる単語がある:

‘angriest’,  ‘astringe’, ‘ganister’, ‘gantries’, ‘granites’,  ‘ingrates’,  ‘rangiest’

表題の語句のアナグラムは:

‘O, Draconian devil. Oh, lame saint’

ああ、残酷な悪魔だ。ああ、役に立たぬ聖人だ)

‘Leonardo da Vinci The Mona Lisa’

となる。

ソニーRX10M4で動画を撮影してみる

RX10M4で動画を撮影してみた。このカメラでの動画は4K(4840X2160)やHD(1920X1080)の高画質の動画が撮影できる。
メニュでフレームレート(一秒間のコマ数、典型的には一秒60コマ(60p)、pはプログレッシヴ・モードの略、iというのもあり、こちらはインターレース・モード、これは1フレームの奇数行を送り、次のフレームでは偶数行を送る方式で一つの画面になる。こちらのほうが技術的には面白い)やビットレート(ピクセルごとの色情報の精度、典型的には50Mbps、高いほど色情報の精度は高くなる)を設定できる。
ハイビジョン(HD)の大きさで60p,50Mbpsで撮影した例を下に示す。

30秒程度の撮影であるが、ファイルは180Mbの大きさになる。インターネットで公開するファイルとしては大きすぎるのでオリジナルを圧縮したFreeVideoCompressorなどのフリーソフトがそれに使える。今回は7.35Mbまで圧縮したものを使った。

RX10M4の動画撮影にはハイスピード撮影モードもあるので次回はそれを試すことにしたい。

高い知能で材料吟味:ネアンデルタール人の実像へ一歩

今日の新聞の記事のタイトルである。

5万年前ごろにネアンデルタール人が利用した洞窟から発掘したリソワール(動物の皮をなめす使われていた道具)の材質を調べて新たな知見が見つかったという話である。

研究者たちはこのリソワールの残っていた蛋白質のコラーゲンを分析し、このコラーゲンがヨーロッパバイソンやオーロックス由来であることを見つけ、このリソワールはこれらの動物の肋骨から作ったものであると結論した。一方同じ地層で見つかった動物の骨は圧倒的にトナカイのものであった。

これらの事実からネアンデルタール人は道具をつくるときにかなり材料を吟味していたのではないかということが示唆される。

あそびと知識:「エッダ」にみる

「エッダ」(17世紀に発見された北欧神話について語られた写本。9世紀から13世紀にかけて成立したとされている、古ノルド語で書かれた歌謡集(群)である。)の中でも質問競技は主題の一つである。

ヴァフスルーズニルの歌」の中では主神オージンは天地創成時代についての知識の持ち主である巨人ヴァフスルーズニルの知恵と自分の知恵との優劣を競っている。

例えば

「オージンが『最初に生まれた巨人族は一体誰なのか』と質問した時、ヴァフスルーズニルは『はるか昔に、巨人ベルゲルミルが生まれ、その力ある巨人はスルードゲルミルの息子で、アウルゲルミルの孫なのである』と答えた。」

という調子である。

ホイジンガはこれらははるか過去の原始的謎解き競技のスタイルを引き継いでいると述べている。