広辞苑によれば、顎(おとがい)とは顎(あご)のことである。馬の部位に顎凹(おとがいくぼ)がある。下顎の部位かと思ったが、これはむしろ上顎である。馬の鼻面先端部の最も狭い部分の少しへこんだ部位なのかなと思う。だからこれは上顎と鼻との境目あたりにある。
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ここの部位を圧迫することで馬を制御する頭絡がある。対馬の「対州馬」を制御するのに、このハミのない頭絡(無口頭絡)を使う。これは以前のこのブログで紹介したが、顎凹(おとがいくぼ)の説明が間違っていた。この種の無口頭絡は日本の古墳時代あたりから使われていたようで、日本では古い歴史がある。
近代馬術でもハカモア(hackamore)という一種の無口頭絡で馬を制御する仕組みがある。古い時代のものは日本のものと同じように、顎凹(おとがいくぼ)を圧迫するものである。
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乗馬クラブで見るものは、以下の画像に似たもので、「鼻頭」を圧迫するのだろうと思われる形態をしている。こちらは、メカニカル・ハカモア(mechanical hackamore)というらしい。これはウエスタンスタイルの乗馬でよく使われている。
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