これも今朝の新聞の記事のタイトルである。
オミクロン株が如何にしてワクチン耐性をもっているかを遺伝子レベルで解析したという記事である。
オミクロン株はウイルス表面のスパイクたんぱく質に従来株の3-5倍もの多数の変異があるのが特徴。ワクチン接種でヒトの体にできる抗体はこのウイルスの表面のスパイクの一部と結合してヒトへの感染を防ぐ。オミクロン株には抗体が結合できなくなるスパイクができていて「免疫逃避」ができている。これがワクチンが効かない機構である。
一方ヒトへの感染のメカニズムはウイルスのスパイクたんぱく質の受容体結合部位(RBD)がヒト細胞表面の受容体たんぱく質(ACE2)と結合することによる。
ACE2と結合したウイルスのスパイクたんぱく質を調べるとそのたんぱく質の493,496,498番目のアミノ酸が別のものに置きかっっていることがわかった。これがACE2との結合しやすさを増やしている。
このような新たな仕組みは「免疫逃避」を持つためにできた417番目のアミノ酸の置き換え(この置き換えでACE2との結合が弱くなってしまった)を補完する役割を果たしていることが分った。
これらはカナダのブリティシュコロンビア大学の研究者たちが見つけた。