前日の記事でアファナシェボ文化に触れたがこの文化圏はトカラ語派圏と重なる地域である。アファナシェボ文化圏はシベリア・ミヌシンスク盆地のアファナシェヴォで最初に発掘調査されたが、現在のモンゴル西部、新疆ウイグル自治区北部、カザフスタン中東部にまで広がっていた。だからモンゴルといっても西端が含まれるのにすぎない。
この地域は西暦800年ごろ死語になったインド・ヨーロッパ語族の一つであるトカラ語圏と重なる。トカラ語派を話す人たちはミイラのDNA型鑑定の結果、アファナシェヴォ文化を担った集団と非常に近く、個体の7割が南シベリアに特徴的なミトコンドリアDNAを持っていたため、北方から南下して来たことが明らかになった。