無限階段と無限音階

エッシャーの話がでたので関連するだまし絵とだまし音階の話をしたい。

まず「無限階段」:原理はこれた。作品を一つ。

この「無限階段」に似たものに「無限音階」がある。床屋の看板にあるが単にそこで回転しているだけなのにパターンは常に上昇しているように見える。これを音階として表現したものである。

実例はここにある。

ヒトの耳の可聴音域は約20ヘルツから2000ヘルツで、最も感度かよいのは1000ヘルツである。20ヘルツ以下の音や2000ヘルツ以上の音はヒトの耳には聞こえない。単音で周波数が上昇する音を聞くと音階が上昇していることを認識するがこの単音は2000ヘルツを越えるとヒトには聞こえなくなる。「無限」ではない。ところが複数の単音を次から次に発生させ、常に可聴音域に周波数が上昇する単音があるようにすると、ヒトは常に上昇する音が出てると錯覚する。

おれが「無限音階」の原理である。

この「無限に高く(低く)なっていく音」は1964年にベル研究所のRoger N. Shepardが考案した「1オクターブ上がっても最初と同じに聞こえる音」によるもので「シェパードトーン(無限音階)」と呼ばれている。

 

Python備忘録:ジェネレータの実際

ジェネレータはnext関数を使って呼び出す。この関数の呼び出し毎にジェネレータは一定の長さのデータを吐き出す。この機構を使って動画ファイルをフレーム毎に読みこむことにする。このような例をimageioモジュールで見てみる。このモジュールは様々な画像ファイル(動画ファイルを含む)を処理することができる。今回の例は動画ファイルを読み込みヴィデオ表示するPythonプログラムである。

プログラム例


#coding: utf-8
import tkinter as tk, threading
import imageio
from PIL import Image, ImageTk

video_name = "test.mp4" #ここにヴィデオ・ファイル名を書く
video = imageio.get_reader(video_name)
gen = video.iter_data()
def stream(label):
    def showlabel():
        global count
        try:
            image=next(gen)
        except: 
            return
        frame_image = ImageTk.PhotoImage(Image.fromarray(image))
        label.config(image=frame_image)
        label.image = frame_image
        label.after(14, showlabel) #フレーム・レイトの調整
    showlabel()

if __name__ == "__main__":

    root = tk.Tk()
    root.title('TKinterでヴィデオを見る')
    my_label = tk.Label(root)
    my_label.pack()
    thread = threading.Thread(target=stream, args=(my_label,))
    thread.daemon = 1
    thread.start()
    root.mainloop()

赤い文字の部分がジェネレータに関連する部分で、video = imageio.get_reader(video_name)はファイルを読み込む機構の設定で、video.iter_data()でその機構にジェネレータの性格を付与している。

iter_data()
Iterate over all images in the series. (Note: you can also iterate over the reader object.)

と説明がある。
image=next(gen)でフレーム毎にデータを読み込みそれをimageに代入している。フレーム毎にデータを読みこみデータが尽きるとエラーになるのでエラー処理をしている。

Python備忘録:関数でジェネレータをつくる

関数でジェネレータをつくることもできる。


def reverse(data):
    for index in range(len(data)-1, -1, -1):
        yield data[index]

この関数ではreturn文の代わりにyield文を使う。yield文がfor文の内部にあることに注意。yield文に達するとこの関数は一時停止し値を返すが、この関数のローカル変数などは保持されたままである。この一時停止の解除はこの関数を呼んだプログラムの要請による(同期している)。
上の関数の実行例を示す。


>>> s = reverse('golf')
>>> s
<generator object reverse at 0x0000000002ED07C8>
>>> next(s)
'f'
>>> next(s)
'l'
>>> next(s)
'o'
>>> next(s)
'g'
>>> next(s)
Traceback (most recent call last):
  File "<pyshell#7>", line 1, in 
    next(s)
StopIteration
>>> 

 

Python備忘録:クラス定義によるジェネレータ

ジェネレータの性格を持ったクラスを定義することができる。例を示す:


class Reverse:
    def __init__(self, data):
        self.data = data
        self.index = len(data)

    def __iter__(self):
        return self

    def __next__(self):
        if self.index == 0:
            raise StopIteration
        self.index = self.index - 1
        return self.data[self.index]

このクラス定義で__next__メソッドがあることが重要である。このメソッドがnext関数の定義をなしている(これはクラスの__str__メソッドがそのクラスの固有のprint関数の定義になっていることと同じである)。__iter__メソッドも同様にiter関数を定義するものであるが今は何もしない。
結果は


>>> s = Reverse('flog')
>>> next(s)
'g'
>>> next(s)
'o'
>>> next(s)
'l'
>>> next(s)
'f'
>>> next(s)
Traceback (most recent call last):
  File "<pyshell#6>", line 1, in 
    next(s)
  File "<pyshell#0>", line 11, in __next__
    raise StopIteration
StopIteration
>>> 

となる。

国府・多賀城と海との関係

律令制のもとで国府が各地に作られたが、陸奥の国府は現在の多賀城市(多賀城跡)に設置された。国府の設置された場所はそれなりの理由で選択されたと思われるが、多賀城のばあいは何であったのだろうか?

それは海かもしれない。多賀城が作られた8世紀ごろの海岸線についてははっきりしないが、縄文時代まで遡ると海岸線がずっと内陸にあったらしく現在は内陸になっている近郊の利府や岩切といったところが海岸線であったらしい。多賀城の創建当時はかなり海岸線に近いところに建てられたのではないかと思われる。

海が近いと便利なことは一つは海上交通の便がよいことであり、二つ目は海産物とくに塩が身近に得られることである。

海上交通では太平洋側は大変だったはずで、日本海側の中世の「廻船」に比較して近世になってようやく「東廻り」が開拓されたほどだから8世紀ごろは現実的な問題となっていなかったと思われる。

塩の問題が面白い。国府が行政組織であれ軍事組織であれ多くの人間が常駐しているわけで「兵糧」の問題が深刻であったはずだ。特に塩は重要なもので近くに塩が得られる場所があると都合がよい。塩釜の製塩がいつごろから始まったのははっきりしないが、多賀城に近い塩釜神社では原始的な製塩法である「藻塩焼神事」(もしおやきしんじ)が現在も行われており、製塩の古さを示唆している。塩が身近に得られるところは国府に相応しい場所と考えたのではないか。

Python備忘録:イテレータとジェネレータ

  • イテレータとは、プログラミング言語において配列やそれに類似する集合的データ構造(コレクションあるいはコンテナ)の各要素に対する繰り返し処理の抽象化である。 … 実際のプログラミング言語では、オブジェクトまたは文法などとして現れる。 JISでは反復子(はんぷくし)と翻訳されている。

Pythonに即してみると:


>>> a='abcd'

>>> for a in a:
	print(a)
a
b
c
d
>>> 

より基本的なイテレータはiter関数を使うものである:


>>> d=dict([(1,'one'),(2,'two')])
>>> d
{1: 'one', 2: 'two'}
>>> it = iter(d.items())
>>> next(it)
(1, 'one')
>>> next(it)
(2, 'two')
>>> next(it)
Traceback (most recent call last):
  File "<pyshell#7>", line 1, in 
    next(it)
StopIteration
>>> 
  • ジェネレータは、プログラムにおいて、数列の各要素の値などを次々と生成(ジェネレート)し他の手続きに渡す、という機能を持っている手続きである。つまりイテレータを生成する手続きである。大事なことはジェネレータは要請がある毎に一つ一つ要素を生成することである。

Pythonチュートリアル」(Guido van Rossum著)で示した例:


def reverse(data):
    for index in range(len(data)-1, -1, -1):
        yield data[index]

for char in reverse('golf'):
    print(char)

ジェネレータを一行で書くこともできる。


>>> g = (x**2 for x in range(5))
>>> g
<generator object <genexpr> at 0x0000000002ED07C8>
>>> next(g)
0
>>> next(g)
1
>>> 

ジェネレータは大きなファイルを要請のある毎に読むなどのとき便利な機能である。をみよ。

 

済州島の馬と倭寇(わこう)

済州島のシンボルは馬(済州馬)であるが、この小型の馬の起源はかなり古いらしい。

海と列島の中世」(網野善彦著)によれば、中世に「倭寇(わこう)」と呼ばれていた海の人々(海人)は西北九州、済州島、朝鮮半島の南端に渡るひろい範囲に住む人々からなり、「船を以って家となす」と言われていたように船や海に長けていた人々であったが、騎馬にも優れ多くの馬を所有してたという。その馬の牧場(牧)が済州島にあった。

 

Pythonの話題:辞書の結合(付録)

二つの辞書の結合を議論して三つの方法があることがわかった。

今回はたまたま二つの辞書でキーが同じものがあったときの振る舞いを調べる:
例題


>>> d1=dict()
>>> d1['one'] = 'イチ'
>>> d1['two'] = 'ニ'
>>> d2=dict()
>>> d2['one'] = 'ヒトツ'
>>> d2['three'] = 'サン'
>>> d=dict(**d1, **d2)
Traceback (most recent call last):
  File "<pyshell#7>", line 1, in 
    d=dict(**d1, **d2)
TypeError: type object got multiple values for keyword argument 'one'
>>> d=dict(list(d1.items()) + list(d2.items()))
>>> print(d)
{'one': 'ヒトツ', 'two': 'ニ', 'three': 'サン'}
>>> d1.update(d2)
>>> print(d1)
{'one': 'ヒトツ', 'two': 'ニ', 'three': 'サン'}
>>> 
  • 形式d=dict(**d1, **d2)ではエラーになる。
  • 形式d=dict(list(d1.items()) + list(d2.items()))では上書きされる。
  • 形式d1.update(d2)では予想したしたように上書きされる。

Pythonの話題:辞書の結合(再論)

辞書の結合を議論した。「ばらす」演算子(**)を使った以下のような方法を紹介した。


d = dict(**d1, **d2)

これはスマートに見える方法であるが、万能ではない。

例を示す:


>>> d1 = dict()
>>> d1[1]='one'
>>> d1[2]='two'
>>> d2=dict()
>>> d2[3]='three'
>>> d2[4]='four'
>>> d=dict(**d1, **d2)
Traceback (most recent call last):
  File "<pyshell#6>", line 1, in 
    d=dict(**d1, **d2)
TypeError: keywords must be strings
>>

つまりキーが文字列以外のときは上記の方法は使えないことになる。


d1.update(d2)

とする方法もあるが、d1が書き換えられてしまうので面白くない。

以下のような関数はどうだろうか


def dict_merge(d1, d2):
    """二つの辞書d1,d2を結合して新たな辞書d
を返す関数"""
    d = dict()
    for key, item in d1.items():
        d[key] = item
    for key, item in d2.items():
        d[key] = item

    return d

d1=dict()
d1[1] = 'one'
d1[2] = 'two'
print(d1)
d2=dict()
d2[3] = 'three'
d2[4] = 'four'
print(d2)

d = dict_merge(d1, d2)
print(d)

追記:
コマンドで書ける:


d=dict(list(d1.items()) + list(d2.items()))

 

核兵器禁止条約批准44ヵ国目:セントクリストファー・ネビス

今朝の新聞で目に留まった記事のタイトルである。

この条約の発効には最低でも50ヵ国での批准が必要であるが、セントクリストファー・ネビスでの批准で、条約の発効にはあと6ヵ国となった。

核兵器禁止条約は2017年に122ヵ国によって採択されたが、50ヵ国目の批准書が国連に寄託された後90日で発効する。

セントクリストファー・ネビスはカリブ海にある国で人口約5万3千人。カリブ共同体(カリコム)に加盟している。