仏像でみる日本の密教:観世音菩薩(観音)と観音経

観音像は阿弥陀如来の脇侍の一尊であるが、法華経に含まれる観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品)においては人間のあらゆる危難に応じて種々の姿に変化し救済を行うものと記している。これは大乗仏教にいうさとりへの道を追求し、さとりの境地の象徴としての浄土への信仰に比較すると大変に異質な性格である。この性格が観音の密教的な仏であることに繋がっている。

飛鳥時代、奈良時代を通じて観音信仰が盛んであったことは当時の多くの観音像が現存することから分る。例えば

法隆寺の百済(くだら)観音、夢殿救世(くぜ)観音

薬師寺東院聖(しょう)観音

これらの観音は一面二臂の姿をした像であるが、やがて多面多臂の姿になる。

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