仏像でみる日本の密教:現世利益(げんせりやく)

「日本密教:その展開と美術」(佐和隆研著)という面白い本がある。このブログでも何回か引用した。改めて読んでみた。

日本が受容した仏教は大乗仏教であり、招来された仏教はその中でもさとりへの哲学を説いたものであった。

この本では

「多くの菩薩がその祈願者に現世利益(げんせりやく)をもたらすという信仰は大乗仏教の思想の中に秘められている。この信仰を展開させて、その背後に仏教的思想による統一を与えたのが密教でる」と密教の性格を端的に記述している。

この本の面白さは現在われわれが古寺で目にする仏像が造像された当時にどうような性格の仏像であったかを推察していることである。

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