1859年の今日、ダーウィン「種の起源」(原題:On the Origin of Species)が出版された。
「『種の起源』は世界を変えた書と言ってよい」(訳者まえがき:ダーウィン「種の起源」:渡辺政隆訳)
読んでみて感心するのはいきなり自然界の種を問題にするのではなく読者に馴染みのある飼育動物や栽培植物の変種の問題から論を進めていることである。
特にダーウィン自身も手を染めた飼いハトの種の議論は説得力がある。イングリッシュキャリアー、短面のタンプラー、ラント、バーブ、パウダー、ファンテールなど飼いハトには多くの種がある。種は不変と考えるとこれらの多くの飼いハトに対応する多くの野生種があるはずである。人類がハトを飼い始めて3000年程度であるが、これらに対応する野生種は一つも現存しない。全て絶滅してしまったことになる。
「全ての飼いハトの種は現存する野生種カワラバトただ一種の子孫であるとする見解が完全に正しい」とダーウィンは主張する。種は不変ではないのだ。