稲の刈り入れの季節である。今では刈り入れは稲の根元から刈り取る「根刈」である。
「栽培植物と農耕の起源」(中尾佐助著)の中でこの「根刈」と対比して「穂刈」を紹介している。原始的な農業では「穂刈」が一般的である。それは穂の脱落性(触れると落ちる)と出穂期(いっせいに穂がでるかどうか)の性質が、脱落性があり、出穂期が揃っていないからである。脱落性がなくなり出穂期がいっせいになるような改良がされると収穫方法も「穂刈」から「根刈」に移行する。
日本でも米の収穫は奈良時代までは「穂刈」で、平安時代になると「根刈」に移行したと言われている。