今朝の新聞のタイトルである。
アジサイの花色(花びらではなくがく片の色)は土壌の酸性度が影響することが知られているが、なぜ?
紫色のアジサイの花びらを顕微鏡で観察すると、青、紫、赤の色とりどりの細胞が集まって全体として紫色に見えていることが分る(名古屋大学・吉田久美教授たちの発見)。つまり、赤や紫の花色はこの三色の色細胞の混合の仕方によるという訳である。
しかし一つ一つの細胞は同じ遺伝子を持ち隣接する細胞は同じ環境にあるのに細胞の色が違う。なぜ?
色細胞に発色に関わっている成分は色素のアントシアンと3種類の助色素、そしてアルミニウム・イオンと分っている。
吉田さんたちは細胞の色が青いものはアルミニウム・イオンの量が多くなること、3種類の助色素のうちの二つの5-アシル化キナ酸が多いことを発見、試験管の中で再現した。
これで個々の色細胞の発色の機構は解明できた。それでは同じような環境にある色細胞がなぜ色を変えるのか?多分これは個々の細胞の機能ではなく細胞の集合体に関わる機能の問題であろう。今後の研究が楽しみである。