砂丘の動力学:砂丘はお互いに「コミュニケーション」している

砂の集合体は面白い性質を持っている。砂時計がそのよい例である。

Newscientistにあった記事であるが、その砂の集合体である砂丘が動く機構の話題である。

ケンブリッジ大学の研究者たちは実験でこの機構を調べた。実験で使った装置は「dune ‘racetrack’」と呼ばれているものである。回転する円筒型の水槽中に砂丘を見なした同じ大きさの砂の塊を二つ離して置き、装置を回転(水も回転運動をする)してこれらの塊の動きを観察する。

水は粘性があるので回転槽よりゆっくりと回転する。だから回転槽に乗ってみると水は回転槽の反対方向に回転する流れを作る。この流れで二つの砂丘は移動する。この二つの砂丘の移動の様子をカメラで撮影した。この動きが面白い。

最初のうちは上流側にある砂丘が下流側にある砂丘に近づく動きをみせるが、徐々に上流側にある砂丘の接近速度が落ちて下流側にある砂丘と同程度になる。さらに観察すると今度は下流側の砂丘が上流側の砂丘から離れる動きをする。この動きは長く続き、二つの砂丘が180度も離れるまで続く。ここが平衡点らしい。このような動きは上流にある砂丘がその下流に作る乱流によるものと考えられている。

砂丘群の動きは個々に砂丘がかってに動くのではなく、お互いに相互作用をしながら動いているわけである。このようなメカニズムが砂丘が作りだす見事な波型パターンの形成に関わっていると研究者たちはみている。