種苗法「改正」の問題点:農家の自家増殖を原則禁止

今朝の新聞の記事のタイトルである。

食は人間の生活に必須。その食を担う農業で栽培植物の種や苗の扱いを定めたものが種苗法であるが、「改正」の動きがある。

この新聞の記事はその問題点をシリーズで載せている。

種苗法では新品種を開発して登録した場合、開発者の知的財産を保護する(育成者権)。同時に種苗法では農家が購入した種や苗を育て収穫して翌年再び自分の農地でこれを種苗として使うことを認めている(自家増殖)。

「改正」では登録品種については自家増殖を原則禁止とし、農家は毎年許諾料を払わないとこの品種を使えない。

調査では5割程度の農家が登録品種を使って自家増殖を行っていて、この「改正」の影響は大きい。しかも特産物には登録品種が多い。例えば米では、作付け面積が多い「コシヒカリ」。これは育成者権がいない一般品種だが、「コシヒカリ新潟BL」は登録品種である。このように細かく見ると登録品種は多い。またブドウでは登録品種は9パーセントだといわれているが、山形県では大粒種だと56パーセントと多い。北海道のコムギは99パーセント、大豆が86パーセント、沖縄県のサトウキビは50パーセント以上が登録品種である。

今回の「改正」の理由は優良品種の海外流出を防ぐためだとされている。
しかし、海外流出と不法な海外での使用を止めさす決め手はその品種を海外でも登録することである。これまでは政府は海外での品種登録をサボっていた。これが原因である。