RawTherapee: 色体系Labによる画像加工

RawTherapeeというフリーの画像加工のソフトがある。なかなか優秀なものでWindows, MAC, Linuxでも使える。写真の加工に愛用している。

コンピュータの世界では画像のピクセル毎のカラーはRGBの値を指定することでできる。このRGB(各々8ビットであると値の範囲は0~255)の値と色名との関係はよく調べられている。例えばローヤルブルー(royalblue)は各値がR:65 G:105 B:22である。これはコンピュータの世界の色表現である。

ヒトの目の特性に基づく色表現がある。その1つが表題のLab体系である。Labの詳細はここで。LabはRGBと同じように色を3つの要素(だから立体)で指定する。それがLとaそしてbである。Lは色の明度(明るさ)、aは純緑から淡い緑そして灰色を経由して緑の補色である淡い赤、純赤と変わる補色軸であり、bは純青から淡い青そして灰色を経由して青の補色である淡い黄、そして純黄にいたる補色軸である。

RawTherapeeでは画像全体を一様にL(明度)をシフト、a(緑・赤値)をシフト、b(青・黄値)をシフトさせる機能のほかに、部分的にこれらの値をシフトさせる機能もある。

L軸では陰の部分のみを明るくするといったことができる。つまりL = f(L)、元のLの関数としてLの値を更新できる。同様にa = f(a)、つまり元の緑・赤値の関数として緑・赤値を更新できる。

オリジナルの画像
赤領域を強調
緑領域を強調

同様にb = f(b)も用意されている。

このようなことが出来るのであれば、「明るい領域の彩度を弱くしたい」つまりa = f(L)も期待できるが何故かRawTherapeeにはない。その代わり、マンセル色体系(色相(hue)、明度(value)、彩度(chroma))の表現による変換関数が豊富に用意されている。上の要望では例えばc = f(v)の関数を使えばよい。

このようなことができるのがRawTherapeeである。