「飼養衛生管理基準」の改定案の問題点

農林水産省が検討を進めている「飼養衛生管理基準」の改定案が畜産農民の中に不安を広げているというニュースが今朝の新聞に載った。

家畜伝染病が発生した際の「放牧中止」などの項目である。農民運動全国連合会も意見書を出した。その中で肉用牛の繁殖雌牛の17パーセント、酪農での飼養頭数の23パーセントが放牧であり、この中止条項の影響は大きい。放牧は耕作放棄地の解消や森林・農地の維持に大きな役割を果たしており、放牧が家畜伝染病の感染リスクを高めるという科学的な根拠は示されていないいう。

また記事は「放牧の中止はSDGs(持続的開発目標)やアニマルウェルフェア(動物福祉)を進めている国際社会の流れに逆行する」(畜産農民全国協議会の会長の森嶋氏の発言)という発言も載せている。

これらの運動があって「放牧中止」の項目は改正案から削除されることになったが、図らずも役所の現状認識や世界的な潮流に対する認識不足を露呈する結果となった。

神田日勝(かんだにっしょう)の「馬」

神田日勝(かんだにっしょう)という夭折の画家がいた。名前は以前から知っていたが、かれの絶筆となった作品が「馬」という題名の作品である。

昨日の新聞に「大地への筆触」というタイトルで回顧展の記事が載った。かれの父親が拓北農民隊として家族で北海道に疎開、1945年に十勝平野、鹿追村で暮らし始めた。かれは農業を引き継ぎ、傍ら絵を描き始める。しかし1970年には体調不良、32歳の若さで他界した。

かれの遺作の「馬」という作品がある。この作品以外にもウマをテーマにした作品があるが、この遺作の「馬」が画家と馬の精神的距離が一番近いように思われる作品である。

 

北原ミレイが歌う「石狩挽歌」

演歌のジャンルに入る音楽CDを一枚だけ持っている。それが北原ミレイが歌う「石狩挽歌」である。この歌は普通の演歌にはない歌詞でできている。作詞はなかにし礼である。

歌詞は:

海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると
赤い筒袖(つっぽ)の やん衆がさわぐ
雪に埋もれた 番屋の隅で
わたしゃ夜通し 飯を炊く

燃えろ篝火 朝里の浜に
海は銀色 ニシンの色よ
ソーレン節に 頬そめながら
わたしゃ大漁の 綱を尭(ひ)く

と続く。作曲は浜 圭介。いろんな歌手が歌っているが、この曲を最初に歌った北原ミレイがいい。

スピン・コントロールと回転式住所録

グラフィックスユーザインタフェース(GUI)の部品(ウィジェット)にスピン・コントロールというものがある。整数値を1つ表示する表示窓があり、その脇に上向きの矢印と下向きの矢印があり。上向きの矢印をクリックすると表示は増加し下向きでは減少する。このようにして整数値を選択できるようになっている。スライダーがアナログ的なのに対して、これはディジタル的なものである。

このスピン・コントロールの動きを見ていたら回転式住所録を思い出した。画像はここにある。

トグルスイッチ

これもユーザインタフェースの話である。

トグルスイッチまたはトグルボタンというものがある。二つの状態をとるスイッチでスイッチを押すと現在の状態から別の状態に切り替わる。

我が家でも電灯を付けたり消したりするトグルスイッチが使われている。電灯が消えているときにそのスイッチを押すと電灯が付き、電灯が付いているときにそのスイッチを押すと電灯が消える。つまりこのスイッチは二つの状態を取ることができるスイッチである。しかしスイッチの外見からはそのスイッチが今どちらの状態にあるかを知る手がかりは全くない。このスイッチは小スペースに配置できる利点があるが、これがこのスイッチの欠点である。

誰のためのデザイン?認知科学者のデザイン原論」のなかで著者のD.A. ノーマンはこのトグルスイッチをよくないデザインの例として取り上げていた。

例えば、このスイッチをエレベータのドアの開閉に使ったとしよう。

ドアが開いていたらそのボタンを押すとドアが閉まり、ドアが閉まっていたらこのボタンを押すとドアが開く。しかしドアの状態が見えないとこのボタンは有効に使えない。

エレベータのユニヴァーサル・デザインではドアを閉めるボタンとドアを開けるボタンは別々になっている。

ラジオボタンとチェックボックス

グラフィックスユーザインタフェース(GUI)の部品(ウィジェット)にラジオボタンとチェックボックスというものがある。どちらも提示された一群の選択項目からユーザが項目を選択する機能を持っている。違いはチェックボックスでは複数の項目が選択できることに対してラジオボタンは一つの項目のみが排他的に選択できる点にある。

このラジオボタンの名称の由来は旧いラジオの前面に配置されていた複数のラジオ局の選択ボタンである。一つのラジオ局を選択する(押す)と他の局のボタンが浮き上がった状態になり常に一つが排他的に選択されるようになっていた。このラジオボタンがGUIのラジオボタンになった。

旧い時代の機器が持っていたユーザインタフェースがそのままの機能でGUIに取り込まれたことが面白い。

ウイニーの大音響を実感する

今日のお昼休み(馬休の時間でもあった)に洗い場で一頭だけ残されしまった馬が盛んに嘶いていた。この馬の音声はウイニーと呼ばれている。以前にも馬の四種の音声を話題にしたことがあるが、ウイニーが最も大きな音で自分の存在を他の馬たちに知らせるときなどに使う。今日は「早く馬房に帰りたい」と指導員に向かって鳴いていたのである。

ふと他の馬たちは誰が鳴いているのか分るのであろうかという疑問がわいた。それにしても大音響であったのが面白かった。

庚申(こうしん)道:狸と猿の街道

庚申(こうしん)道というちょっと変わった名前の街道がある。

狸の焼き物で有名は信楽(しがらき)焼の信楽を含むように南北に走っている街道である。猿は庚申の使いで、何も悪いことは報告しないというポーズの三猿(見ざる、聞かざる、言わざる)であるが、この街道沿いにある寺(庚申山広徳寺)には大きな石柱のてっぺんにこの三猿が彫られている。この猿が街道の名前の起源。

藤沢周平の世界:データベースの話

藤沢周平は好きな作家の一人である。以前のこのブログで話題にしたことがある。

文庫本のかたちで全作品を持っている。どの作品がどのタイトルの文庫本に収録されているかを検索できるデータベースを作ってみた。

一例を示す:

検索結果の表示

wxPythonにはデータベースの結果表示に便利なgridクラスがあり表になったデータを適切に表示できる。