東アフリカの酪農「5000年前から」

今朝の新聞記事のタイトルである。

東アフリカのケニヤやタンザニアなどでは古くから牧畜が行われている。この地域の牧畜がどの位前まで遡るかという問題である。牧畜は黒海・カスピ海周辺で紀元前4000年ごろ始まったが、この牧畜の地球規模への拡大を知る手掛りとなる。

遺伝学的な研究からこの地域の牧畜は5000年前ごろに始まったとされていたが、今回の研究は遺跡出土品からの研究でこの指摘を再確認した。

米フロリダ大学の研究者たちはケニアとタンザニアの5000年から2000年前にかけての四つの遺跡から出土した土器の破片に付着している脂肪酸などの有機物を解析した。その結果5000年まえのものを含めてウシやヤギなどの反芻動物の乳由来の脂肪酸を検出した。

この考古学的な結果は遺伝学的な推定と重なっている。6000年前に黒海・カスピ海周辺で始まった牧畜は1000年かけて東アフリカまで伝播したことになる。