天に昇った「かいばおけ」

春の星座にかに座という星座がある。これが天に昇った「かいばおけ」である。ふたご座の東にある。星座として見ると以下のような図になる。

かに座
かに座


実はこの星座は二匹のろばたちは向き合って中央にあるおけからかいばを食べているいう図でもある。中央にあるかいばおけには星々が沢山見える。M44という星団である。この星団の名前はギリシャ語でファトネ(かいばおけ)と呼ばれ、ラテン語のプライセペ(Praesepe)となった(野尻抱影著「星座の話」)。
神話では、これは酒の神バッカスと火の神ヘーファイストとの二匹の馬で、神々が巨神族と戦ったとき、大声でいなないて敵を潰走させた功により、おけ(桶)もろとも星になったそうである。だからPraesepeは天に昇った「かいばおけ」である。
因みのM44という呼び名はメシエのカタログの44番目の天体の意味であるが。メシエはハリー彗星で有名なハリーと同時代の人で、彗星発見をするために邪魔になる彗星と間違えるような広がりを持った天体のカタログを作った。これがメシエのカタログで100ばかりの天体が登録してある。有名なところではM31。これはアンドロメダ銀河である。