楢下のハミ

楢下(ナラゲ)は羽州街道の宿場町の一つである。羽州街道は福島と宮城の境に近い桑折(コオリ)を起点として、奥州街道から分かれて福島、山形、秋田を通り青森の油川までに通じていた江戸時代の街道である。 その福島と山形の境に金山峠があるが、その山形側に下りたところに楢下の宿はある。

楢下のハミ
楢下のハミ

めずらしい桝方の宿場で、脇本陣などの参勤交代に藩主が宿泊した建物などよく保存されていて、当時の宿場町の雰囲気を残している。写真はその建物の一つ、武田屋にあったハミである。この宿は脇本陣格の旅籠をしていたと説明にあったが、建物の隅に馬屋がありその片隅にこのハミが転がっていた。いつごろのものか不明であるが、「あっ、ハミだ」と思って写真に収めた。
僕らの乗馬クラブの馬たちも様々な形のハミを使っている。そのなかでめずらしい頭絡を使う馬がいる。この頭絡はハッカモーア(hackamore)という。この頭絡は「ハミなし」である。ハミがない代わりに鼻を圧迫することで馬を制御する。
WIKIPEDIAによればこのハッカモーアという言葉はスペイン語由来である。この型の頭絡はハミが発見される以前から馬の制御に使われていたとのことである。馬以外のラクダなどの制御に使われていたものを馬に転用したものである。馬の口への負担が少ないので長距離の乗馬やエンデュランスなどによく使われる。