「湯立てかぐら」と火渡り神事

毎年2月11日に薬師堂で行われる火渡り神事で写真のような風景を目にする:

これと同じような神事芸能に「湯立てかぐら」がある。お湯をぐらぐらとにたてその中に笹の葉っぱのようなものを入れてそれをみんなに振り掛ける。それで無病息災や五穀豊穣などを願ったり、その年の吉兆を占うものである。こちらは神社の神事で舞を伴なうと「かぐら」になる。非常に古い日本の神事芸能の一つである。

駈歩をしている馬がT字路にきたら

このブログで馬は「右利き」か「左利き」かを調べた研究結果の紹介をした。
性差があるなど面白い事実が分った。

ところで馬が駈歩をしてT字路に入ってきたら左右どちらの側に曲がり易いのであろうか?

予想としては「左手前」の駈歩では左へ、「右手前」では右に曲がりやすいと考えられるがどうだろうか。

 

「左か右か」:混乱する脳

これは最近のNewScientistの話題の一つである。

多くの人々が「左に行って」「右に行って」という左右の方向を伴なう指示に混乱してしまうという。その問題である。

これらの指示は「前に行って」「後に行って」という前後の方向を伴なう指示に間違いなく対応できることを考えると対照的である。

これは人間の体がほぼ左右対称にできていることと関係するのかもしてない。また人の「歩く」や「走る」といった歩様も左右対称なことも左右の認識を曖昧にしているのかもしれない(馬の駈歩のような左右非対称歩様を持っているとどうだろうか)。

記事ではある人は

幼いころ右親指をしゃぶる癖があり大人になっても左右の親指の形が違っていてそれを手掛りの左右の問題を処理できているそうである。

またある人は

親指と人差し指を90度に開いたときに文字Lを作る方が左である。これを使う。とっさのときに役に立つかなあ。

ビザンチィン帝国とルーマニア

表題の「ビザンチィン帝国とルーマニア」のどちらも中央ヨーロッパにあった帝国であり、現在もある国である。そして二つともローマに関係が深い。

われわれはとかくヨーロッパと言うと西欧に目をむけがちであるが、中央ヨーロッパの考古学や歴史に触れてみると中央ヨーロッパはヨーロッパの先進地域であったことがわかる。

ビザンチィン帝国は紀元4世紀にローマ帝国が西と東に分裂したときの東のローマ帝国である。コンスタンティノーブルを帝都にキリスト教を国教とするギリシャ語を話す「ローマ帝国」であった。西のローマ帝国が5世紀にはさっさと滅亡してしまった後は唯一のローマ帝国としてその後一千年も生き延びた。最盛期にはヨーロッパで最も栄えた都がコンスタンティノーブルであった。常にローマを意識した帝国であった。

ルーマニアも面白い。ルーマニア(Romania)は「ローマ人の国」を意味する。中央ヨーロッパで唯一ラテン系の言葉を話す国である。ルーマニアもローマ帝国の属州になったことがあるがどのようにしてこのような言語になったかは興味深い。ルーマニアの歴史は紀元3世紀から紀元13世紀あたりの一千年は不明な点が多い由。このように時代にビザンチィン帝国との交流があったのかもしれない。

M51-ULS-1b:最初の銀河系外惑星(候補)

われわれの銀河系には沢山の惑星(太陽系外惑星)が発見されているが、表題のM51-ULS-1bは銀河系外(われわれの銀河系の外にある)惑星の最初のものになるかもしれない。M51は猟犬座の方向に8.6メガパーセク(28光年)のところにある有名な子持ち銀河である。

この銀河にあるX線を出している恒星(中性子星またはブラックホール)の伴星がM51-ULS-1bである。この惑星がX線源を横切るときに僅かにX線の強度が落ちる。この現象を見つけて惑星(候補)の発見になった由。

この惑星は木星の半径の0.7倍程度の大きさを持つ。星が水素の核融合を初めるためには質量の下限があり太陽の100分の1程度だとされており、これより質量が大きいと自ら光る恒星になる。木星は太陽の1000分の1程度の質量しかないので恒星になれない。M51-ULS-1bもその程度の質量だと思われる。それで惑星だと推測したものである。

 

RawTherapee: 色体系Labによる画像加工

RawTherapeeというフリーの画像加工のソフトがある。なかなか優秀なものでWindows, MAC, Linuxでも使える。写真の加工に愛用している。

コンピュータの世界では画像のピクセル毎のカラーはRGBの値を指定することでできる。このRGB(各々8ビットであると値の範囲は0~255)の値と色名との関係はよく調べられている。例えばローヤルブルー(royalblue)は各値がR:65 G:105 B:22である。これはコンピュータの世界の色表現である。

ヒトの目の特性に基づく色表現がある。その1つが表題のLab体系である。Labの詳細はここで。LabはRGBと同じように色を3つの要素(だから立体)で指定する。それがLとaそしてbである。Lは色の明度(明るさ)、aは純緑から淡い緑そして灰色を経由して緑の補色である淡い赤、純赤と変わる補色軸であり、bは純青から淡い青そして灰色を経由して青の補色である淡い黄、そして純黄にいたる補色軸である。

RawTherapeeでは画像全体を一様にL(明度)をシフト、a(緑・赤値)をシフト、b(青・黄値)をシフトさせる機能のほかに、部分的にこれらの値をシフトさせる機能もある。

L軸では陰の部分のみを明るくするといったことができる。つまりL = f(L)、元のLの関数としてLの値を更新できる。同様にa = f(a)、つまり元の緑・赤値の関数として緑・赤値を更新できる。

オリジナルの画像
赤領域を強調
緑領域を強調

同様にb = f(b)も用意されている。

このようなことが出来るのであれば、「明るい領域の彩度を弱くしたい」つまりa = f(L)も期待できるが何故かRawTherapeeにはない。その代わり、マンセル色体系(色相(hue)、明度(value)、彩度(chroma))の表現による変換関数が豊富に用意されている。上の要望では例えばc = f(v)の関数を使えばよい。

このようなことができるのがRawTherapeeである。

オリオン星雲(M42)を見つけよう

冬の星座として顕著なオリオン座にM42と名づけられた星雲がある。この星雲は恒星を作る材料である物質が豊富にありそれらが最近誕生した若く明るい恒星の光を吸収して輝いていたり光を遮蔽したりして複雑な輝きの分布を示す星雲である。

大きな望遠鏡で見るとこんなふうに見える。鳥が飛んでるように見える星雲だ。

この星雲のオリオン座中の場所はこれで。

超新星爆発「木に記録か」:年輪の炭素14濃度が急上昇

朝刊の記事のタイトルである。

太陽系の近くで過去にあった超新星爆発の影響を地球の木が記録している可能性があるという話。米国コロラド大学の研究者たちの発見である。

コロラド大学のロバート・ブレーケンリッジ博士たちは古い木の年輪に含まれている放射性元素(炭素14)を調べた。年輪に含まれる炭素14が急上昇する例をいくつか見つけた。これは木が光合成をする際に大気から吸収した炭酸ガスにこの炭素14が沢山あった年代があったことを示唆している。

超新星爆発との関連を見ると南天のほ座の方向約815光年の先ある恒星が1万3000年前に起こした超新星爆発(現在は超新星残骸と中心なる中性子星によるVelaパルサーとして観測されている)を初め4例は炭素14の急上昇と対応関係があるとの由。

炭素14の上昇は太陽フレアでも起こるが博士は超新星爆発との関連も調べる価値があると述べている。