やぶ入の夢や小豆の煮るうち(蕪村)

明日は冬至である。台所を見たら小豆が用意されていたので蕪村の句を思い出した。

この句は薮入り(旧1月16日前後)という言葉で引き起こされた詩情を句にしたものである。「蕪村俳句集」(尾形 仂校注)では「春之部」になっている。

台所に用意されていた小豆は「冬至かぼちゃ」に使うためだ。冬至は日本の太陽太陰暦では一年の長さを決める重要な日であり、多くの行事があったはずだが、僅かに妙見信仰の星祭りが残っているにすぎない。