自明なようで不明な話。
ウマの歯にはハミを噛むことにとても適した個所があるといわれている。これは前歯と奥の臼歯の間にある歯のない領域(歯槽間縁という)である。前歯は左右に三本、臼歯は前臼歯が三本、後臼歯が三本で、間縁は前歯と前臼歯の間にある。この間縁には歯がなく歯肉がむき出しになっている。下顎と上顎とは歯並びが同じで口を閉じるとこの歯槽間縁のところに隙間ができ、ここにハミが入ると考えられてきた。
実際にハミを噛んでいるウマのハミの位置をX線ヴィデオ撮影した人がいる。結果はハミはそんなに静かに間縁に落ち着いているわけではなく。前後に動いているというものだ。
歯槽間縁のところにあったハミは後に動き、口角のところまで移動する。この位置は歯並びでは前臼歯の第二歯のところである。
ハミは再び前に移動して歯槽間縁に移動する。ハミはこの前後の移動を繰り返している。
画像は二つのタイプのハミについてハミの位置を示した模式図である。