左前の胡服

古墳時代後期の古墳から沢山の馬具や乗馬の壁画が見つかっているが、当時の人たちがどうのような姿で乗馬をしたのかもわかる壁画がある。その一つが福岡県鞍手郡若宮にある竹原古墳の壁画である。馬を引く馬丁の姿が馬と共に描かれている。

竹原古墳壁画の馬と馬丁
竹原古墳壁画の馬と馬丁

筒袖の搾袖、短衣、ズボン姿の馬丁です。このスタイルは中国北方胡族のものである。しかもこの壁がでは判然としないが、左前(左えり)の上着である。左前(左えり)とは男性洋服の衿の合わせかたで左衿が前にくる。この馬丁は馬に向いているから、右腕で馬の手綱を持っていることになる。この動作では左前の方が右前より合せがはだけない。
面白いことにこの壁画でも馬の左側で馬丁は馬を引いている。