気になるサイエンス:奈良のシカ、おじぎ減った

久ぶりの新聞の記事である。

奈良公園にいるシカは野生動物であるが観光客から「シカ煎餅」をもらうなどヒトとの交流が深い野生動物である。「シカ煎餅」をもらうときぺこりと頭をさげるような仕草をする。コロナの影響で観光客が減ってヒトとの接触が減った結果この「おじぎ」仕草の習性が退化してきているという記事である。

この調査は奈良女子大学と北海道大学の研究チームによる。

画像はここ

 

 

仙台青葉まつり

昨日は仙台青葉まつりにいってみた。20日から始まったもので、初日は「スズメ踊り」で昨日は「山鉾巡行」があった。かなりの人出であった。

仙台青葉まつり

 

休憩の合間に
いっぱい踊った!

 

朱子における日食・月食の理解(続)

後漢(西紀元1~2)年の張衡は

「太陽に相対する衝で光がいつもあたらないのは地に蔽われているのである。」とかなり正確な月食の理解をしている。しかしこの理解は後世に伝わらなかったようである。

「朱子の自然学」(山田慶児著)によればある人が「月の中の黒い影は地の影ですか。」と朱子にたずねたののたいして朱子は

「先人にその説がある。考えてみると道理としてはありえよう。………太陽は月の本体にその光をあてりが中間にある地は一塊の実なるものだからその黒いかげりができるということだろう。」

と答えている。地が球形をしているという理解があればこの説明は説得的である。

朱子における日食・月食の理解

「朱子の自然学」(山田慶児著)によれば朱子(朱熹(しゅき))は朱子学の大成者であるが自然現象にも並々ならぬ関心を示していたという。ここでは当時天文暦の精度をきめた日食・月食の現象としての理解を紹介したい。

太陽も月も仮想的な天球上を動いているが、

「会合するとき太陽と月はその黄道と赤道(月道のまちがい)の十字路の交点で互いに出くわす。望のとき月と太陽がちょうど向かい合う。太陽な朔に食するわけは月はいつも下にあり太陽はいつも上にある。下のほうにある月に太陽が遮られる。望のときに月が食するのはむろん陰がに陽に対応すからだ。」

これは朱子の晩年の発言で弟子の沈燗の記録による。当時は月は自ら光を発しているものではないことは知られていた。天球上の月と軌道と太陽の軌道の交点のところに両天体があり、二枚の紙が重なるようになる。月が下になり太陽が上になるのを下から見る。これが日食という現象であるとという合理的な説明を朱子はしている。月食の説明は極めて思弁的説明に終わっている。

 

 

「常用暦」と「天文暦」

「常用暦」はこよみである。一方「天文暦」は天体現象、特に日食、月食の日時を記述したものである。特に中国や日本の古代・中世では日食の予測は重要であった。近世においても暦の精度を測る上でこの予測が使われた。

2022年9月の皆既月食