最近は樹脂製の「蹄鉄」もあるが、蹄鉄といえば「鉄」である。ショックを吸収することから軟鉄が使われている蹄鉄の起源は何処だろうか?
窪田蔵郎著「鉄から読む日本の歴史」によれば、自然界から鉄を取り出す技術は中央アジアで始まった。この技術はその地を追われたトルコ系民族の突厥(トッケツ)つまりダッタン人によって東に伝播した。ダッタン人の語源タタールが転化してわが国の製鉄炉の「タタラ」になったと言われている。これは中国には漢の時代(紀元前200年)ごろからである。乗馬の風習も前後して東に伝播したのであろう。そしてこのダッタン人が馬に蹄鉄を装着すること始めたと言われている。