白馬山や駒ヶ岳はどうように馬と関連があるのだろうか?
それは暦(こよみ)と関連がある。暦といっても自然暦である。白馬山では冬には一面の雪が積もるが、春になると雪が徐徐に解ける。地元の人たちは、この残雪で山に「白馬」が現れるころを見計らって稲の種蒔きをする。ここから白馬山という名前が付いた訳である。駒ヶ岳も同じような由来だと思う。
本居宣長は「真暦考」という書物の中で、大陸から天体運動に基づく暦が日本に導入される以前に、日本でどんな手段で時期を知ったのかを考察してる。日本では四季の変化がはっきりしているので、その変化を知れば時期を決めることができたはずであると述べている。白馬山に残雪の形で現れる「白馬」もそのようなマークの一つである訳である。
それにしても、残雪の形が「白馬」に見えるということは、いかに僕らの祖先の時代には馬がポピュラーな生き物であったかを裏付けるものである。