最強の武田騎兵軍団

日本の戦国時代に最強の騎兵軍団を持っていたのは甲斐の武田信玄及びその子の武田勝頼だと言われている。「長篠の戦い」で武田勝頼は信長・家康軍と戦うことになるが、この騎兵軍団は信長の謀略にあい手痛い敗北にあう。新田次郎著「武田勝頼」によれば、鉄砲という武器が戦闘に投入されたが、”馬が鉄砲に負けた”のが長篠の真相ではない。
どのくらいの馬でこの武田騎兵軍団は構成されていたのだろうか?
長篠の戦いに出陣した武田軍は一万五千(これに対して織田軍三万五千、徳川軍八千)と言われている。これは軍役として参加した人の数であるが、軍役として参加した馬の数を知りたい。
面白い資料がある。笹本正治著「武田信玄:伝説的英雄像からの脱却」は、武田軍の軍役の状況を資料から確認して表に纏めている。面白いので一部引用してみると:
元亀二年 武田兵庫助 知行高397貫 軍役人数28 馬2
天正四年 小田切民部少輔 軍役人数45 馬6
などとなっている。表の中の軍役人数、馬数の平均を取ってみると馬数は軍役人数の約一割になる。長篠の戦いに出陣した馬の数は一千五百程度ということになる。可成りの馬が戦闘に参加したことになる。このあたりがピークだとおもう。その後の戦闘では鉄砲の投入で戦闘の形態が大きく変わることになる。

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