「香料の道:鼻と舌:西東」:「胡椒(こしょう)」

胡椒は帝政時代のローマで熱狂的な人気をはくした香辛料である。「長胡椒」が最も人気があり、次いで「白胡椒」、「黒胡椒」の順である。

「白胡椒」と「黒胡椒」はPiper nigrumという蔓性の潅木の果実を乾燥したもので、白黒の違いはその果実の熟成度や製法の違いによる。インド南部が原産。一方インド北部を原産地とするのが「長胡椒」である。多年草潅木Piper Longumで果実は長く穂状につき、そのまま乾燥させたものである。

サンスクリットで長胡椒はpippali、普通の胡椒はmarichaという。ギリシア語ではpeperi、ラテン語ではpiperとなりこれらがヨーロッパ言語の胡椒の語源になっている。つまりヨーロッパ言語の胡椒は「長胡椒」のことである。

 

 

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