木曾地方も馬産が盛んだったので馬を唄った民謡がさぞ沢山あるだろうとおもったが暗に相異して殆んどない。見つけたがこの「吉野の草刈唄」である。
長野県木曽郡上松町吉野に伝わる作業歌で馬の飼料となる夏草を刈り採るときに歌った。
吉野の草刈唄:
草を刈るなら吉野の山で
どうぞまじりの嵐草(あらしぐさ)
草を刈るなら桔梗花残せ
桔梗は女の縁の花
花は蝶々か蝶々が花か
さてはちらちら迷わ
「どうぞ」は、馬小屋に堆肥用に敷く長くて硬い草のこと。「嵐草」は、山の上からまとめて転がす様子を歌ったもの。
なお木曾地方の馬産についてはここを見てほしい。