星の年齢:宇宙で最初に生まれた星

まず太陽が誕生してから何年になるかという問題である。

その直接的な検証はできないが地球上で一番古い岩石の年齢が48億年であることから太陽は誕生から50億年程度たっていると思われる。

このように単独の星の年齢を推定することは難しいが星団に関してはそれを構成する星が同時に誕生したと仮定すると恒星進化論との比較でその星団の年齢は推定できる。球状星団に年齢が古く130億年というものもある。

星は宇宙進化の過程で誕生したと思われるので宇宙の初期に誕生した星の情報が得られれば最初に生まれた星ということになる。宇宙は誕生から膨張しており宇宙の初期に誕生した星の光は赤方偏移を受けて観測される。この赤方偏移の度合いを膨張宇宙のモデルと比較するとその星に年齢が推定できる。最近の観測で約138億年前のビッグバンから約3億年後の宇宙最初期の銀河(星)が見つかっている。

宇宙の初期では物質は水素とヘリウムの形をとっていてそれより複雑な元素が存在しないと考えられている、複雑な元素は星の内部で生成される。星から来る光の分光観測で星の表面付近の元素の存在に関する情報が得られる。この情報からその星が誕生したときの元素分布の推定できる。重い元素を含まない星はより初期に誕生したと考えられるので、重い元素を含まない星が観測されればそれは初期の星ということになる。そのような星が観測されている。われわれの銀河の中にあってその一つは推定年齢は135億年となっている。

宇宙が一様であるとすると約138億年前のビッグバンから約3億年後の宇宙最初期の銀河は我々の住んでいる銀河の135億年まえの過去の姿である。太陽は存在しないが、古い球状星団は誕生して重い元素を欠く星が誕生したような時代である。