もう一つ仏像の話。東寺は弘法大師が関わりをもった寺である。かかわりをもったのは建立から20年もたった弘仁十四年(西暦823年)のことであり、真言の寺にするために講堂の仏たちの配置に工夫をしたといわれている。だから弘法大師の思想がわかるのは講堂の仏たちである。
講堂には二十一体の仏像が安置されている。その配置は
中心に金剛界五仏:
その向って右に金剛界五菩薩:
左に五大明王:
となっており、その周囲に四天王と梵天、帝釈天が配置されている。「日本密教」(佐伯隆研著)によれば中心の金剛界五仏と金剛界五菩薩の中心にある金剛波羅多菩薩の6体は後世(鎌倉、室町、桃山時代)の作であるが、そのほかの15体は弘法大師の時代の雰囲気を残してる仏像である。
21体の仏像群の画像はここにかる。
土門拳は「日本の仏像」の中で、不動明王、梵天、帝釈天を撮影している。