北原ミレイが歌う「石狩挽歌」

演歌のジャンルに入る音楽CDを一枚だけ持っている。それが北原ミレイが歌う「石狩挽歌」である。この歌は普通の演歌にはない歌詞でできている。作詞はなかにし礼である。

歌詞は:

海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると
赤い筒袖(つっぽ)の やん衆がさわぐ
雪に埋もれた 番屋の隅で
わたしゃ夜通し 飯を炊く

燃えろ篝火 朝里の浜に
海は銀色 ニシンの色よ
ソーレン節に 頬そめながら
わたしゃ大漁の 綱を尭(ひ)く

と続く。作曲は浜 圭介。いろんな歌手が歌っているが、この曲を最初に歌った北原ミレイがいい。

スピン・コントロールと回転式住所録

グラフィックスユーザインタフェース(GUI)の部品(ウィジェット)にスピン・コントロールというものがある。整数値を1つ表示する表示窓があり、その脇に上向きの矢印と下向きの矢印があり。上向きの矢印をクリックすると表示は増加し下向きでは減少する。このようにして整数値を選択できるようになっている。スライダーがアナログ的なのに対して、これはディジタル的なものである。

このスピン・コントロールの動きを見ていたら回転式住所録を思い出した。画像はここにある。

トグルスイッチ

これもユーザインタフェースの話である。

トグルスイッチまたはトグルボタンというものがある。二つの状態をとるスイッチでスイッチを押すと現在の状態から別の状態に切り替わる。

我が家でも電灯を付けたり消したりするトグルスイッチが使われている。電灯が消えているときにそのスイッチを押すと電灯が付き、電灯が付いているときにそのスイッチを押すと電灯が消える。つまりこのスイッチは二つの状態を取ることができるスイッチである。しかしスイッチの外見からはそのスイッチが今どちらの状態にあるかを知る手がかりは全くない。このスイッチは小スペースに配置できる利点があるが、これがこのスイッチの欠点である。

誰のためのデザイン?認知科学者のデザイン原論」のなかで著者のD.A. ノーマンはこのトグルスイッチをよくないデザインの例として取り上げていた。

例えば、このスイッチをエレベータのドアの開閉に使ったとしよう。

ドアが開いていたらそのボタンを押すとドアが閉まり、ドアが閉まっていたらこのボタンを押すとドアが開く。しかしドアの状態が見えないとこのボタンは有効に使えない。

エレベータのユニヴァーサル・デザインではドアを閉めるボタンとドアを開けるボタンは別々になっている。

ラジオボタンとチェックボックス

グラフィックスユーザインタフェース(GUI)の部品(ウィジェット)にラジオボタンとチェックボックスというものがある。どちらも提示された一群の選択項目からユーザが項目を選択する機能を持っている。違いはチェックボックスでは複数の項目が選択できることに対してラジオボタンは一つの項目のみが排他的に選択できる点にある。

このラジオボタンの名称の由来は旧いラジオの前面に配置されていた複数のラジオ局の選択ボタンである。一つのラジオ局を選択する(押す)と他の局のボタンが浮き上がった状態になり常に一つが排他的に選択されるようになっていた。このラジオボタンがGUIのラジオボタンになった。

旧い時代の機器が持っていたユーザインタフェースがそのままの機能でGUIに取り込まれたことが面白い。

庚申(こうしん)道:狸と猿の街道

庚申(こうしん)道というちょっと変わった名前の街道がある。

狸の焼き物で有名は信楽(しがらき)焼の信楽を含むように南北に走っている街道である。猿は庚申の使いで、何も悪いことは報告しないというポーズの三猿(見ざる、聞かざる、言わざる)であるが、この街道沿いにある寺(庚申山広徳寺)には大きな石柱のてっぺんにこの三猿が彫られている。この猿が街道の名前の起源。

マルハナバチ、葉をかみ開花促す

今朝の新聞に表題のような記事があった。

我が家の畑のブルーベリーにもハチが来ていた。

新聞記事はこの花に集まるハチの話である。スイス工科大学のフォテイニ・バスカリデゥ博士が偶然に見つけたマルハナバチの行動である。マルハナバチが植物の葉を噛んでることを見つけ、その植物の開花が他より早くなるということだ。これは実験室にいたハチであったが野生のマルハナバチにも見られる。

ヒトの手で植物の葉を傷つけても何も変化が見られないことから、博士はマルハナバチが葉を噛むときに何らかの化学物質を放出しているのかもしれないとコメントしている。

ネコを興奮させるイヌハッカ:祖先が失った成分復活

今朝の新聞記事のタイトルである。

ネコを興奮させるイヌハッカ(キャットニップ)の誘引成分はイリドイドという化学物質の一種である「ネペクラクトン」と呼ばれている物質たそうである。ネコの3分の2はキャットニップをこすったり触ったりして興奮状態になる(因みに我が家で以前に飼っていたネコは無反応)。

記事の内容は米フロリダ自然史博物館の研究グループがキャットニップが持つこの成分の由来をこの成分を持たないヤナギハッカのゲノムを比較するなどして祖先の酵素と遺伝子を調べたというもの。

その結果、6500万~5500万年前ごろ祖先の植物がイリドイドを作る能力を失ってしまったが、2000万年ごろキャットニップは再びイリドイドを作る能力を復活させたということが分った。

空白の時代(5500万年前~2000万年前)ではイリドイドを持つ必要のない環境であったのかもしれない。

イセエビの出す音、3キロ先で聞こえる

今朝の新聞記事のタイトルである。

イセエビは頭のところから突き出ている長いひげ(第2触覚)の根元にある器官から「キイキイ」という音を出す。これはイセエビ同士のコミュニケーションに使われている。この音がどの位遠くまで届くのかフランスの研究者たちが調べた。

大きさが異なる24匹のヨーロッパイセエビを使い、イセエビから100mの距離のところまで8個の水中マイクを設置し音をを収録した(多分大きさの異なるイセエビは異なった周波数の「キイキイ」音を出すので個体を区別できたのだろう)。解析の結果、2.6cmと小さいイセエビは10mしか届かない、一方13.5cmの大型のイセエビは100mまで届くことが分った。

実験は浅瀬の雑音の多い環境だったこととイセエビが本来生息する環境を比較すると本来生息する環境では大きなイセエビの「キイキイ」音は3キロメートル程度は伝播すると研究者たちは結論した。

‘O, Draconian devil. Oh, lame saint’のアナグラム

ダヴィンチ・コードの中で言葉遊びがよく出てくる。ここではそんな言葉遊びの一つであるアナグラムを取り上げる。

アナグラムは一つの意味のある単語または一つの語句を構成している文字を入れ替えることによって意味のある別な単語または語句を生成する遊びである。

簡単な例
‘silent’(静かな)—-> ‘listen’(聞く)

英単語集(11万個)を探索して得られるアナグラムで8文字からなる単語を検索してみると最大個数は7にもなる単語がある:

‘angriest’,  ‘astringe’, ‘ganister’, ‘gantries’, ‘granites’,  ‘ingrates’,  ‘rangiest’

表題の語句のアナグラムは:

‘O, Draconian devil. Oh, lame saint’

ああ、残酷な悪魔だ。ああ、役に立たぬ聖人だ)

‘Leonardo da Vinci The Mona Lisa’

となる。

高い知能で材料吟味:ネアンデルタール人の実像へ一歩

今日の新聞の記事のタイトルである。

5万年前ごろにネアンデルタール人が利用した洞窟から発掘したリソワール(動物の皮をなめす使われていた道具)の材質を調べて新たな知見が見つかったという話である。

研究者たちはこのリソワールの残っていた蛋白質のコラーゲンを分析し、このコラーゲンがヨーロッパバイソンやオーロックス由来であることを見つけ、このリソワールはこれらの動物の肋骨から作ったものであると結論した。一方同じ地層で見つかった動物の骨は圧倒的にトナカイのものであった。

これらの事実からネアンデルタール人は道具をつくるときにかなり材料を吟味していたのではないかということが示唆される。