5年前のモントリオール訪問の写真を整理していたらこんな写真がでてきた。
古墳時代の鏃(やじり)
日本の古墳時代の鉄製の鏃がどのようなものか知りたいとおもい調べた。
「鉄から読む日本の歴史」(窪田蔵郎著)の中に大阪府黄金塚出土の鉄製の鏃の写真を見つけた(p.71)。総じて青銅製のものと比較すると実用的で鋭いものになっているという解説があった。その写真を見ると茎(柄)が一体として鋳造されたものもある。しかしこの茎が空洞であるものはないように見える。「考古学基礎講座ー古墳時代の鉄鏃ー」には古墳から出土した鉄鏃の系統分類がまとめられているが茎(柄)のあるものが多いが、その茎が空洞であるものはない。
茎(柄)を空洞にすることによって強力な矢を作れるはずであるが、技術的に難しかぅたのか、普及しなかったようである。
騎馬遊牧民と騎馬民族
乗馬の習慣は紀元前3000年ごろから始まるがこれはヒツジ(ヤギ)やウシそしてウマの遊牧農業を効率よく管理するためのものものであった。部族間の衝突にもウマに乗った戦士が登場する機会があったかもしれないがそんなに組織だったものではなかった。
一方スキタイなど紀元前1000年ごろおきた騎馬民族は騎兵による軍隊組織を持っていた。自らは生産組織をもたず、この軍隊組織による略奪によって大きくなっていった。言わば寄生国家であった。
この間に乗馬に関して何がおこったのか考えてみたい。
騎馬遊牧民が生きた時代は「青銅器時代」であり、「騎馬民族」は鉄器時代」である。軍隊組織としての騎馬隊の武器は弓矢である。青銅器時代の矢じりは石や鋳造された青銅矢じりであったがその柄は空洞になっていなく矢の軸に取り付けるためには軸を割いてそこに矢じりをはさみ紐などで固定する方式をとった。これでは強い矢は作れない。一方鉄の矢じりは鋳造でしかも柄は空洞であり鏃で茎(軸)を包むようにでき、強力な矢だできた。しかも量産の規格化された矢が作られた。弓にも進化があった。騎馬遊牧民時代の弓は1メートルから1.5メートルの長さがり馬上で扱う上では不便であった。鉄器時代になるともっとコンパクトな複合弓(キューピットの弓)が作られるようになり、馬上で効果的に弓矢を扱えるようになった。これらの武器から見た変化である。
一方イデオロギーの変化も必要であった。軍隊組織のなかの騎兵は「一将、功成って万骨枯る」のように消耗品であった。これはそれ以前の英雄時代の騎兵とは精神の面でちがっている。この転回を可能にしたものは強力な王権なのかもしれない。
SonyRX10M4のリッチトーンモノクロ
SonyRX10M4を愛用しているが、モノクロによる撮影ができる。メニューの中にある「ピクチャーエフェクト」の中にある「リッチトーンモノクロ」がそれである。画質「raw」では使えないがそれ以外では使える。この設定でシャッターを切ると 条件を変えて連続して2枚の画像が作られ内部的にこれら画像を合成して最終的な一枚のモノクロ画像が得られる。詳細は不明なところもあるが、これでダイナミック・レンジの大きなモノクロ画像が得られると説明があった。
撮影した画像の例を示す:
面白い写真が得られるように思った。
遊牧経済文化と天文学
日本では近世後半の西洋の知識が流入するまで天体現象に合理的な説明を創作すること(これが天文学である)がなかった。前々からその理由について考えてきているが、日本のような農耕経済文化では「天体は必要なかった」。これが理由のように考えている。農耕経済文化では人々は土地に執着する。村に定住しその狭い環境を熟知して農耕をおこなう。四季折々の変化もそこにある。
一方紀元前3500年ごろ中央アジアの西端で起きた遊牧経済文化は馬とワゴンを持ち家畜化された動物を飼育する文化である。広大なユーラシアステップが舞台であり極めて機動性の高い生活をしていた。土地に対する執着は弱く、定住地をもたない。このような環境の中で四季の変化や方向を知る手立てとしてどこにいても見えた天体に注目したのであろう。
世界史的にみても最初の農耕経済文化を築いたシュメール文化と比較して遊牧経済文化であったバビロニアの天文の知識は群を抜いている。これらの知識がギリシアにもたらされ天体現象の合理的な説明を創作する天文学が誕生した。
瑞鳳殿の紅葉
12月に入って紅葉の最後かなと思い瑞鳳殿に行ってみた。
RawTherapee5.9の局所処理サンプル
前に紹介したようにRawTherapeeではヴァージョン5.9で局所処理機能が追加された。ここではその機能を使って処理した画像を元の画像との対比で紹介する。
それぞれの画像の修整目的は前後の画像から自明であるが、RawTherapee5.9の局所処理では修整箇所を絞り込むプロセスが調整するパラメタが多くて大変だがアルゴリズム的なのが面白い。
紅葉(続き)
片平・放送大学の紅葉
東北大学片平キャンパスにある大学放送の敷地内の紅葉が見ごろかなと思って行ってみた。写真も撮ってみた:
その他の写真はここにある。
RawTherapee5.9で電線を除去してみる(続)
処理の実際を述べる:
- RawTherapee5.9の局所処理(手のロゴ)を選択してアクティブにする。
- 処理を施す可能性のある領域(スポット)を設定する。
上図は楕円スポットを1つ設定した状態を示している。この楕円スポットには周囲に4つのハンドルと中心に1つの小円がついている。周囲の4つのハンドルはスポットの拡大・縮小・変形に使われる。中心の小円は極めて重要な小円で以下の処理の参照点となる(小円の大きさも変えられる)。上の例では電線のイメージの中心にこの小円の中心を合わせる(なぜならば電線が処理の核心だからである)。
- このスポットの特性は以下のパラメタで決められる。
(1)「カラー機能のスコープ」:中心の小円からどの程度の距離まで実際の処理をするのか?(もちろんスポットの外にでることはない)。この値を大きくすると処理領域は大きくなる。
(2)「⊿Eースコープの閾値」:参照点と離れた点の色空間上の距離⊿Eがある閾値より小ならば実際の処理領域に入れる。そうでなければその点は処理領域にいれない。そのような閾値の値の設定である。この値を小さく設定すると参照点と極めて類似な色だけをもつ領域を処理領域として設定できる。この値が大きいと処理領域が大きくなる。
(3)スポット内とスポット外がシームレスに移行するようにスポットの境界での取り扱いを決める。そのためのパラメタとして「境界値」、「境界値の減衰」がある。この「境界値」の最大100にすると境界での移行が全く考慮されていない処理となる。
(4)以上のパラメタを調整して実際の処理領域を決める。その時点での処理領域のレヴューは「スポットの機能を追加」で最低1つの処理を選択し(今の場合は「色と明るさ」を選択)「⊿Eのレヴュー」ボタンを押すと見れる。処理領域が空色で示される。上図のスポットで電線を覆うように領域が設定されていることがわかる。
(5)「色と明るさ」で電線の周囲の明るさと色に変更すると電線は消える。
(6)このスポットが複数個設定できるので電線に沿ってスポットを重ねて行く(こまめにスポットを重ねたほうがよい)。
以上の処理で何とか電線を消せた。