馬頭観音再論

馬頭観音については以前に話題にしたことがある。
馬頭観音は奈良時代の密教の経典である「陀羅尼集経」に現れる。
馬頭を顔とした観音、馬頭を頭に戴く忿怒(ふんぬ)形の観音である。大乗仏教特に密教になると十一面観音や千手観音などたくさんの機能を持った仏像は出てくる。馬頭観音のその一つである。
なぜ馬頭かという点は不明であるが、ヒンズー教の神々のなかにその起源があり、それが仏教の中に持ち込まれたのかもしれない。
しかし、この時代ではこの観音の人気がさほど高くはなかったらしく、文献のあるものの、現存する仏像もほんのわずかである。平安以降の作例のすくない。
ずっと時代は下って江戸時代あたりになると馬の守護神として民間信仰として信仰されるようになる。

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