馬の歩様については以前ここでも取り上げた。馬をトレットミルに乗せてミルの速度を上げていったときにみられる歩様を観察するという実験についても触れた。それによると
常歩から速歩への遷移は速度が約2m/sでおき
速歩から駈歩への遷移は速度が約6m/sでおきる。
さらに、この遷移は酸素消費量を節約するためにおきていることが分かっている。
これは自動車のギアチェンジに譬えられる。
動きはじめはロウに入れて走り始めるが、自動車がある一定の速度以上になったらドライブに入れるようなものだ。多分この方法で燃費を押させることができるのだろう。
遷移速度が2m/sや6m/sになる理由は馬の身体的な特徴から説明される必要がある。
一方、「駈歩発進」という乗馬技術がある。
常歩をしている馬を一気に駈歩の歩様へと切り替える。また速歩から一気に駈歩にする。
これはきっかけさえ上手く与えてやると馬は速度に関係なく歩様遷移をすることができるということである。
自然状態の馬が捕食者を発見して急に駈歩で逃げることを考えると自然なことである。
面白いことは、自動車では走行速度を無視したこのような急な遷移は大抵の場合「エンスト」してしまうが、馬は丈夫なエンジンを持っているのか、「エンスト」を起こさない。
もしかしたら、エンジンだけの問題ではないのかもしれない。
生き物は上手くできてると感心する。