「日本の音」(小泉文夫著)によれば日本の音階の解析には「テトラコルド」という考え方が有効である。この概念は古典ギリシャで音楽の解析に用いらたものだ。
楽曲には主音が一つあるが、この主音に対して完全四度または完全五度離れた音を核音という。これらの核音は主音に対して協和的な音である。これらの主になる音の二つを選びこの枠内に中間の音を二つ配置する。この四音(テトラ)を一つのセットとして音階を再構成する。これが「テトラコルド」という考え方である。日本の楽曲にこの考え方を適用する。ただし中間の音は二つでなく一つである。
- 民謡・わらべうたの音階
主音はニの音でこれとペアーを組む核音はこれから完全四度高いトの音である。中間音は主音から短3度高い音、これらでテトラコルドを構成する。これを重ねると民謡・わらべうたの音階になる。音階は
- 都節の音階
主音はハの音である。核音は完全四度高いヘである。中間音は主音から短2度高い音。これを重ねると都節の音階になる。音階は
- 律の音階
都節と同じである。だだし中間音は主音より長2度高い音である。音階は
- 沖縄の音階
民謡・わらべうたの音階と同じである。ただし中間音は主音より長3度高い音である。音階は
この四つが日本の音階である。