泰山府君と東岳大帝

泰山府君

秦の始皇帝(紀元前220年)が泰山で封禅(ほうぜん)の儀式を行った。封は天を祀る儀式で泰山の頂上に壇をしつらえおこなった。禅は地の神に向けての祭りで麓で行った。この封禅の儀式では不老長寿や国運の長久を祈願した。泰山府君はこれらの天の神と地の神の二つながらの威力を持つ強力な神格である。

東岳大帝

「道教の神々」によれば五行説に基づいて五つの山が信仰の対象になった。それらは東岳泰山、南岳衡山、西岳崋山、北岳恒山、そして中岳崇山である。これらお五岳の内で最も権威があったのが東岳泰山で人間の貴賎高下の区別や生死の時期を決める力を持っているとされた。唐の玄宗は東岳泰山を天斉王に、北宋の真宗(十二世紀)は東岳天斉仁聖帝に封じた。これをきっかけに東岳大帝の信仰が始まったという。

いつしかこれらの東岳大帝と泰山府君の区別が無くなってしまったらしい。

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