日本では七夕が最も馴染みがある「星祭り」でありこのブログでも触れたが、なぜか星との関わりが希薄な「星祭り」である。
筑紫中真著「アマテラスの誕生」によれば、七夕伝説が中国から伝わってきたとき以前に日本には「カミまつり」があり、この「カミまつり」が七夕伝説と同化してできたのが日本の七夕まつりである。
神は一年に一度海または海に通じている川をとおって遠いところから訪問してくると考えられていた。人々は海岸や川のほとりに「湯河板挙(ゆかわだな)」という小屋をたて、カミの妻となるべき処女を住まわせ、神のくるのを待ち受けさせた。この棚機つ女(たなばたつめ)は普段はカミの着物を機(はた)にかけて織っていた。つまりカミまつりをする巫女だったわけである。
このカミまつりの風俗が七夕伝説と同化したものが日本の七夕まつりになったというわけである。星の「織女星」というより棚機つ女(たなばたつめ)にあやかろうとする習俗が顕著なまつりである。これらが星との関わりが希薄な「星祭り」である理由と思われる。