蔦紅葉宇都谷峠(つたもみじうつのやとうげ)

峠の話をもう1つ。宇津ノ谷峠である。歌舞伎では宇都谷峠となっている。その歌舞伎の本題が「蔦紅葉宇都谷峠(つたもみじうつのやとうげ)」である。静岡市と藤枝市の間にある峠である。近くに東海道「丸子宿」がある。歌舞伎では「鞠子」となっている。

この歌舞伎のクライマックスはこの峠での人殺しである。

金策尽きて江戸に帰る十兵衛が京に向かう按摩の文弥に鞠子の宿で遭遇する。その文弥は座頭(ざとう)の官位をとるための百両を持っている。

「京三界まで駈け歩き都合ができぬその金を持っていたのがこなたの因果、欲しくなったが私の因果、因果同士の悪縁が、殺すところも宇都谷峠…..許してくだされ、文弥どの」

 

 

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