オルベウスとエウリェディケー

同名のグルックのオペラは有名。

オルベウスとエウリェディケーは結婚した束の間にエウリェディケーは毒蛇に噛まれて死んでしまう。オルベウスは悲しんで黄泉の世界を支配するハーデースとペルセポネーのところに行き得意の竪琴を奏でながら妻を帰してくれるよう懇願した。その訴えに関心したハーデースはエウリェディケーを返すことにした。ただし一つ条件が付きであった。それは地上に出るまで振り返ってエウリェディケーを見てはきけないというものだ。

オルベウスは付き従ってきたエウリェディケーの様子を知りたくて遂に見てしまった。たちどころにエウリェディケーは元の黄泉の国へ引き戻られてしまった。地上に戻ったオルベウスには成すすべは最早なかった。オルベウスは悲嘆にくれて死んでしまった。亡霊となったオルベウスは黄泉の国へ行きエウリェディケーを探しもとめ遂にエウリェディケーと一緒になれた。ゼウスはオルベウスを哀れみ彼の竪琴を天の星座にしてやった。

オペラではオルベウスとエウリェディケーはその愛の力によって地上で再会する。

ロイヤルオペラの公演ではオルベウス(ヨッヘン・コヴァルスキーが演じた)は革ジャンを着てエレキギターを持っていた。

アポローンとヒュアキントス

これもギリシア神話にある「転身物語」の1つである。

アポローンは少年ヒュアキントスを可愛がっていた。

あるときアポローンの投げた円盤を追いかけていたヒュアキントスにこの円盤が当たって瀕死の状態になってしまった。アポローンは歎き悲しんだが、不思議なことにヒュアキントスから流れでた血潮は真っ赤な花に変わっていた。そしてその花びらには「ああー」(α)「ああー」(α)という悲しみ印が付いていた。

この話はモーツアルトのオペラにもなっている。なんとモーツアルト十一歳のときの作品である。

アポローンとダブネー

ギリシア神話の中に「アポローンとダブネー」という物語がある。

アポローンは太陽の神であり、ダブネーはその最初の恋人であった。エロースのたくらみで二本の矢がこの二人に刺さった。一本は「恋をそそる矢」でもう一本は「恋をはねつける矢」であった。このような運命の矢に撃たれた二人の恋は破綻する運命にあった。ダブネーは月桂樹に姿を変えてしまう。それを見たアポローンはその木を「聖樹」とすることを宣言する。