重量級のウマたち(2):ペルシュロン

今回のウマはペルシュロン。画像はここ

アラブ種に多くを負っているがペルシュロンは最も人気のある重量級のウマの一つである。体毛がなく皮膚の問題を度々おこすが、カナダや米国に勢力的に輸出された。

原産はフランス・ノルマンディーの石灰石で有名なラ・ペルシュ(La Perche)地方。その祖先は紀元732年にトゥール・ポワティエ間の戦いでウマイヤ朝の進撃を食い止め、西ヨーロッパへのイスラム教徒の侵入をイベリア半島でとどめたシャルル・マルテルの騎士たちを乗せた。それ以来東方の血がフランスのウマの生産に利用されるようになったといわれている。11世紀以降さらに東方の血が利用されるようになり、ル・パンでは1760年よりアラブ種の牡ウマが使われ始めた。アラブ種の交配、特に1830年に誕生した牡ウマ、Jean le Blancによる影響が大きい。このような影響にも拘わらず大きさやパワーは変わっていない。世界で最も大きなウマはペルシュロンのDr. Le Gearである。体高は21ハンヅ(210cm)で体重は1372Kgもあった。

 

重量級のウマたち(1):ユトランド

重量級のウマたちは個性的だ。そんなウマたちを紹介したい。

今回はユトランド。 画像はここ

ご覧のように運んでいるビール樽のように丸いウマである。デンマークの重量級の固有種である。中世またはそれ以前からユトランド半島で飼育されている。元来は農業や運搬に用いられていたが、数が減少した今日では醸造業者の大荷馬車を曳いている姿でヨーロッパの街角で見かける。

多くの重量級のウマたちと同じように、ユトランドは先史時代の森林の中にすんでいた冷血種のウマから発展したものである。12世紀ごろまでは重量、耐久性そして経済効果に着目した頑強な軍事用のウマとして飼育されていた。19世紀になって現生のユトランドの形ができあがった。

 

 

地域ごとにみたウマの品種(2)

  1. Italy: Maremmana, Bardigiano, Salerno, Sardinian, Murgese, Italian Heavy Draft
  2. Spain: Andalusian
  3. Portugal: Sorraia, Lusitano, Alter-Real
  4. Morocco: Barb
  5. Greece: Skyrian Horse,  Pindos Pony
  6. Middle East: Caspian, Arabian
  7. N. Eurasia: Bashkir, Akhar-Teke, Budenny, Kabardin, Karabakh, Orlov Trotter, Don
  8. Mongolia: Prezewalski’s Horse
  9. India: Indianbred, Kathiawari
  10. Australia: Australian Pony, Australian-Stock Horse
  11. North America: Rocky Mountain Pony, American Shetland, Chincoteague/Assateague, Sable Island, Pinto, Missouri Fox Trotter, Mustang, Morgan, Standardbred, Palomino, Quarter Horse, Tennessee Walking Horse, Appaloosa, Colorado Ranger
  12. Mexico: Galiceno
  13. South America: Falabella, Criollo, Paso, Polo Pony

分類=(ポニー、 軽量級、 重量級

参考文献:Smithsonian Handbooks Horeses.

地域ごとにみたウマの品種

  1. Iceland: Icelandic Horse
  2. Norway: Fjord, Dole Gudbrandsdal
  3. Finland: Finnish Horse
  4. Sweden: Swedish Warmblood, Gotland, North Swedish Horse
  5. Denmark: Danish Warmblood,  Frederiksborg, Knabstruper, Jutland
  6. Netherlands: Friesian, Gelderlander, Groningen, Dutch Warmblood
  7. Belgium: Belgian Warmblood, Brabant
  8. Poland: Hucul, Konik, Wielkopolski, Traknehner
  9. Germany: Oldenburg, Holsteiner, Wurttemburg, Bavarian Warmblood, Hanoverian, Rhinelander
  10. Austria: Haflinger, Noriker
  11. Hungary; Nonius, Furioso, Shagya Arab, Lipizzaner
  12. France: Ariegeois, Landais, Pottock, Selle Francais, French Trotter, Gamargue, Anglo-Arab, Boulonnais, Ardennais, Breton, Percheron, Norman Cob
  13. UK&Ireland: Highland, Dales, Fell, Hackney Pony, Connemara, Exmoor, Dartmoor, New Forest Pony, Welsh Mountain Pony, Welsh Pony, Welsh Pony of Cob Type,  Riding Pony, Thoroughbred, Hackney Horse, Cleveland Bay, Irish Draft, Welsh Cob, Hunter, Hack, Cob, Clydesdale, Suffolk Punch, Shire

分類=(ポニー、 軽量級、 重量級

参考文献:Smithsonian Handbooks Horeses.

馬体の名称(5)

馬体の名称図
馬体の名称図(LET’s Enjoy Ridingより)

後躯(こうく)

  1. 尻(しり)-> Haunch 発音
  2. 臀(でん)-> Croup
  3. 臀端(でんたん)-> Point of Croup
  4. 股(また)-> Thigh 発音
  5. 後膝(あとひざ)-> Rear knee
  6. 脛(すね)-> stifle
  7. 飛節(ひせつ)-> Hock
  8. 飛端(ひたん)-> Point of hock
  9. 夜目(よめ)-> Chestnut
  10. 管(かん)-> Shank
  11. 球節きゅうせつ)-> Fetlock-joint
  12. 距毛(きょもう)-> Fetlock
  13. 繋(つなぎ)-> Pastern
  14. 蹄冠(ていかん)-> Coronet
  15. 冠毛(かんもう)-> Pappus
  16. 蹄(ひづめ)-> Hoof
  17. 尾根(びこん)-> dock 発音
  18. 尾毛(びもう)-> The hair of the tail

馬体の名称(4)

馬体の名称図
馬体の名称図(LET’s Enjoy Ridingより)

前肢(ぜんし)

  1. 肘(ひじ)-> Elbow
  2. 前腕(まえうで) -> Fore-arm
  3. 夜目(よめ)-> Chestnut
  4. 前膝(まえひざ)-> Fore-knee
  5. 管(かん)-> Shank(canon-bone)
  6. 球節(きゅうせつ)-> Fetlock-joint
  7. 距毛(きょもう)-> fetlock
  8. 繋(つなぎ)-> Pastern
  9. 蹄冠(ていかん)-> Coronet
  10. 冠毛(かんもう)-> Pappus 発音
  11. 蹄(てい)-> Hoof 発音

馬体の名称(3)

馬体の名称図
馬体の名称図(LET’s Enjoy Ridingより)

(C)中躯(ちゅうく)

  1. 肩(かた)-> Shoulder
  2. 肩端(けんたん)-> Point of shoulder
  3. き甲-> Withers 発音
  4. 背(せ)-> Back
  5. 腰(こし)-> Loins
  6. 腰角(こしかど)-> Hip angle
  7. 肋(ろく)-> Flanks
  8. 帯径(おびみち)-> Girth 発音
  9. 膁(ひばら)-> Spleen
  10. 腹(はら)-> Abdomen
  11. 胸前(むなさき)-> Breast

 

馬体の名称

馬体の名称の英語名と日本語名をとの対応表である。

馬体の名称図
馬体の名称図(LET’s Enjoy Ridingより)

(A)頭部

  1. 項(うなじ)-> Nape of the neck(Pole)
  2. 頬(ほほ)-> Cheek
  3. まえがみ-> Forelock
  4. 額(ひたい)-> Forehead
  5. 鼻梁(びりょう)-> Face
  6. 鼻孔(びこう)-> Nostril
  7. 鼻端(びたん)-> Nose tip
  8. 上唇(じょうしん)-> Upper lip
  9. 口角(くちかど)-> place for the curb-chain
  10. 下唇(かしん)-> Under lip
  11. 頤(おとがい)-> Chin
  12. 頤凹(おとがいくぼ)

馬の左側と右側

ウマの世話をするときには大抵ウマの左側で作業をする。何故か?

  • ウマの視野や感覚器官に左右差があり、左側がより視野が広く感覚器官も感度がよいのでこちら側で作業するほうがウマはより安心する。
    未訓練のウマたちの「利き手」の実験では大部分の牝馬たちは「右側」を好み、大部分の牡馬たちは「左側」を好むらしい。
  • ウマの筋肉組織に左右差があり左側がより発達した筋肉組織を持つので左側で作業するほうがウマに対する負担が少ない。

ウマは馬体に生得的な歪みを持っている。窪んだ側「ハロー」と堅い側「ステッフ」側がある。多くのウマが右側が「ハロー」側である。つまり左の筋肉組織が堅固である。

  • ウマの世話を馬の左側でする習慣は古くからあるらしく、日本の古墳時代で壁画で左前の胡服を着た馬丁がウマの世話をしている。