「草を打って蛇を驚かす」と「藪蛇」

巳年に因んで蛇が絡んだ言葉をとりあげる。

「草を打って蛇を驚かす」と「藪蛇(やぶへび)」は行為と行為の結果は同じであるが、行為の目的は正反対。これが面白い。

「草を打って蛇を驚かす」は「弥縫録」(陳舜臣著)で採り上げている成句。草を打って「敬遠」したい蛇に出て行ってもらう、という意味で、目的以外のものを叩いて本人に警告を与えるときに使う。

一方「藪蛇」は余計な事をしたために、いらぬかかわりあいになり、思わぬ不利や災難を招くことの意味。行為の目的は蛇をだすことではない。

この二つの成句でも蛇は「敬遠」したいものとして登場する。蛇は敬い遠ざけておきたいものとして登場。陳舜臣氏は蛇を敬遠したり、嫌悪する我々の気持ちは人類の遠い記憶の中にある爬虫類恐怖症に根源があるという。

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