カナート:古代ペルシアにおける伝統的な水利

山から麓へと流れる雨水が地下に入り地下水となる。こと地下水を山の中腹に穿ったトンネルに流し乾燥した平原地帯の農地に水を供給する水利システムがカナートである。この長いトンネルを掘る技術が面白い。

カナートのスケッチ(「技術の千年史」より)

スケッチのように途中にたくさんの竪坑を作りそこから左右に掘り進め長いトンネルを完成させる。これには高度な測量技術が必要である。これがカナート(カーリーズ)である。古代ペルシアにさかのぼる水利技術である。

最古かつ最大のカナートの1つはイランのラザヴィー・ホラーサーン州の ゴナーバードにあるゴナーバードのカナートで、このカナートは「カイ・ホスロウのカーリーズ」ともよばれている。建設されたのは紀元前500年から紀元前700年の間で、2700年を経ても、いまだに4万人近くに飲料水と農業用水を提供している。 427の井戸があり、中心にある井戸は360メートル以上の深さがある。全長は33,113メートルにおよぶ 。

この水利システムの運用に使われた水時計がある。水を公平に分配するために時間計測が必要であった。そこに登場したのが「水時計」である。

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