一将功成って万骨枯(か)る

「己亥(きがい)の歳(とし)」という七言絶句の最後の七言である。作者は曹松(そうしょう)である。反戦の歌である。唐の滅亡が迫り、黄巣(こうそう)の反乱軍が長安に侵攻した時代である。「己亥(きがい)の歳(とし)」は乾符六年(西暦879年)に当たる。

七言絶句の全文は:

沢国江山入戦図
生民何計楽樵蘇
憑君莫話封侯事
一将功成万骨枯

沢国の江山、戦図に入る
生民、何の計ありてか樵蘇を楽しまん
君に憑る、話す莫れ封侯の事
一将、功成って万骨枯る

 

小説十八史略」(陳舜臣)より。

 

 

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