久しぶりの「弥縫録」(陳舜臣著)からの話題である。左が付く二字熟語である。
最初は左袒(さたん)。これは熟語というより歴史の上で語られた言葉である。袒は着物の肩を脱ぐこと。左袒は賛成を表わすために着物の左肩を脱ぐことである。
左翼は左側に急進派が座っていたことに由来する。
左遷が面白い。左遷は地位の降格の意味で現在でも使われているが、なぜ「左」かが問題。ひな祭りのひな壇にいる「左大臣」と「右大臣」とでは「左大臣」のほうが地位が高い。中国文化では一般に左が右より上位。しかし「弥縫録」によれば左遷という言葉が定着したころはこれが逆転していたそうだ。