七夕祭:乞巧奠(きつこうてん)

七夕祭は女子のお祭りだった。平安朝には乞巧奠(きつこうてん)といわれ盛大なものであった。「宇津保物語」には

「七月七日になりぬ。賀茂川に御髪すましに大宮より始め奉りて、小君たちまで出で給えり。賀茂の川辺に桟敷うちて男君たちおはしまうさず、その日の節供川原にまいれり、君達御髪すましはてて、御琴しらべて七夕に奉り給ふほど….」

とある。琴を鳴らして奉納する対象は七夕で牽牛、織女の二星である。ここには中国の七夕伝説の影響があるが、川辺に桟敷をつくり、そこで髪を洗い浄め、食事もそこでとるということは水神に奉仕する巫女のことである。つまり夏にはその力を発揮する水神のため、おとめたちは桟敷ー棚(たな)ーを設けて神に仕えた。棚には織機ー機(はた)-がすえられ、おとめたちは神に捧げる神衣を織った。これが日本のタナハタであった。

輓馬(ばんば)の歌

新聞に詩稿「輓馬(ばんば)の歌」を書いた久保克彦の評伝の記事がのった。久保克彦は『図案対象』という作品を残した戦没画学生で未完の詩集「輓馬(ばんば)の歌」を遺した。

藤田嗣治が「右腕はお国に捧げるつもりで戦争画を描け」と言った時代に明確な反戦の意思を持った詩稿「輓馬(ばんば)の歌」を書いた。そこには数しれない輓馬の隊列が「怠惰な戦争の続いている/黄土の大陸の方へと進んで行く」と、ひとり馬にあらず全ては日中戦争に向っている状況への抗議となっている。

この25歳で戦死した久保克彦の『図案対象』は戦争の無意味さ、文明の脆さを象徴する作品となっている。この作品はかれの母校、芸大美術館が所蔵している。

評伝の著者は久保の甥である木村亨氏で「輓馬(ばんば)の歌 《図案対象》と戦没画学生・久保克彦の青春」(図書刊行会:2019)。

アイスランドの暦法

12世紀にジュリアン歴が導入される以前にアイルランドは独特の暦法を持っていた。

<星のオッド>と仇名がある農奴の歴研究から、一年を52週とするもので一年が364日であった。10世紀になると、この一年では短すぎるので、7年ごとに夏に閏週を1つ入れた暦法である。

「サガとエッタの世界ーアイスランドの歴史と文化」(山室静著)より。

Hygge Cafe Green Shoots

仙台・秋保の秋保神社の西並びにカフェがオープンした。それがGreen Shootsである。

Tom:「この紅茶にはジンジャが入っています」

客:「神社?」

この会話は楽しかった。

このカフェのオーナはオーストラリアから来たデンマーク人のTomさんと日本人の奥さん。各種のサンドイッチがメニュの基本で仙台では珍しい。

立ち寄った日はミートボールや赤キャベツの入った温かいサンドイッチでその上に小さいライ麦パンが乗っかっているリッチなサンドイッチ。コーヒーも面白い味だった。

オーナのTomさんの自慢の自作の絵を沢山見せてもらった。

「日本の仏像」(土門拳):大和編(改訂版)

「日本の仏像」(土門拳)で取り上げている大和関連の仏像を紹介しておく。公開日程を追加した。

  • 法隆寺西院金堂:釈迦三尊像
  • 法隆寺西院金堂:四天王(広目、持国、増長、多聞)
  • 法隆寺西院大宝蔵館:観音菩薩立像(百済観音)
  • 法隆寺東院夢殿:観音菩薩立像(救世観音) 4/1-5/18, 10/22-11/22のみ公開
  • 法隆寺東院夢殿:行信僧都坐像
  • 中宮寺:菩薩半跏像
  • 聖林字:十一面観音立像
  • 法華字:十一面観音立像
  • 飛鳥寺:釈迦如来坐像
  • 薬師寺金堂:薬師如来坐像
  • 薬師寺金堂:日光菩薩立像
  • 薬師寺金堂:月光菩薩立像
  • 薬師寺東院堂:観音菩薩立像(聖観音)
  • 唐招提寺金堂:慮舎那仏坐像
  • 唐招提寺金堂:千手観音立像
  • 唐招提寺新宝蔵:如来形立像 新宝蔵の公開 3/1-6/30,9/1-11/30,12/31-1/3
  • 唐招提寺新宝蔵:薬師如来立像
  • 唐招提寺新宝蔵:衆宝王菩薩立像
  • 唐招提寺新宝蔵:梵天立像
  • 円成寺阿弥陀堂:大日如来立像
  • 東大寺南大門:金剛力士立像(吽形)
  • 東大寺南大門:金剛力士立像(阿形)
  • 東大寺大仏殿前庭:八角灯篭音声菩薩立像
  • 東大寺大仏殿:慮舎那仏坐像
  • 東大寺法華堂:不空羂索観音立像
  • 東大寺法華堂:日光菩薩立像
  • 東大寺戒壇院:四天王
  • 東大寺開山堂:良弁僧正坐像 12/16のみ公開
  • 新薬師寺本堂:薬師如来坐像
  • 橘寺:日羅立像 ->聖宝殿(10/5-11/4のみ公開)
  • 大安寺:持国立像
  • 大安寺:楊柳観音立像
  • 浄瑠璃寺本堂:九体阿弥陀如来坐像
  • 浄瑠璃寺本堂:吉祥天立像 1/1-1/5,3/31-5/20,10/1-11/30のみ公開

「日本の仏像」(土門拳):京都編(改訂版)

土門拳の写真から構成された「日本の仏像」の中で京都に関連するもの紹介する。改訂版である。公開情報も併せて載せる。

  • 神護寺多宝塔:五大虚空蔵菩薩坐像 春の秋の3日のみ公開
  • 神護寺金堂:薬師如来立像
  • 神護寺大師堂:弘法大師坐 11月上旬の御開帳
  • 東寺講堂:不動明王坐像
  • 東寺講堂:持国天立像
  • 東寺講堂:梵天立像
  • 東寺講堂:帝釈天半跏像
  • 東寺宝物館:兜跋毘沙門天立像
  • 広隆寺霊宝館:弥勒菩薩半跏像
  • 広隆寺霊宝館:毘沙門天立像
  • 広隆寺講堂:不空羂索観音立像 ->霊宝堂
  • 広隆寺講堂:地蔵菩薩坐像
  • 広隆寺講堂:阿弥陀如来坐像
  • 三十三間堂内陣:千体千手観音立像
  • 三十三間堂内陣:風神像
  • 三十三間堂内陣:雷神像
  • 鞍馬寺本堂:毘沙門天立像 ->霊宝殿
  • 鞍馬寺本堂:善腑師童子立像 ->霊宝殿
  • 平等院鳳凰堂:阿弥陀如来座像 鳳凰堂修理中
  • 平等院鳳凰堂:雲中供養菩薩群像 ->鳳翔館

翻訳の問題

翻訳の問題が話題にでたので有名な誤訳を紹介しておく。
① John is eager to please.
② John is easy to please.
この二つ文は表面的には似ているが、意味は全く異なっている。これらを以下のように訳した例がある:
① ジョンは喜びたがっている。
② ジョンは容易に喜ぶ。

pleaseでは他動詞の目的語は何かという点が問題になる。
①ではそれはothersであり、②ではJohnである。②は
It is easy to please John.
となり、「ジョンを喜ばすのは簡単だ」と訳せる。①は「ジョンはほかの人を喜ばすことに熱心だ」となる。

Helen Merrill: You’d be so nice to come home to

Helen MerrillのYou’d be so nice to come home to.がなかなかいい。ジャズの話である。ハスキーな声に特徴がある。共演のClifford Bownのトランペットも素晴らしい。
ところでこの題名You’d be so nice to come home to.はどうゆう意味なのであろうか?
中村保男著:「名訳誤訳」によれば、この最後のtoが曲者である。
【誤訳一例】
「帰ってくれたら嬉しいね。」
You’d be so niceはYou would be so niceの仮定法だから「あなたは素敵だ。」と訳せる。to come home toはto come homeの意味であなたが家に帰ってくれることの意味に取れる。しかし最後のtoは無視されている。

【正解】
You’d be so nice to come home to.

It would be so nice for me to come home to you.
と展開できる。これならば誤解なく訳せる:

中村氏の訳は
「あなたの待つわが家がほしい」